(1)血液透析濾過法(オフラインHDF)
(コンソール:「DCG−02<写真クリック>」=日機装<株>社製=)
(2)使用補充液10L・後希釈(サブラッド-BS=扶桑薬品工業<株>社製=)
平成13年11月29日透析開始以来、透析方法は「血液透析(HD)」でしたが、平成16年11月1日より、わが腎クリニック増床に伴い、「透析」と「濾過」を同時に行って、低〜高分子領域まで除去できる「血液透析濾過法(オフラインHDF)」に変更いたしました。
尚、使用補充液「サブラッド-BS」は、実際には2020mL入り5バッグを使用していますが、この補充液の【組成・性状】【効能・効果】【用法・用量】【使用上の注意】等は、添付PDFファイル(クリック)の通りです。この補充液合計「10.1L」は「2.02L/時間」の補液スピードで透析時間(5時間)中ずっとVチャンバーへ持続投入されます。
(1)透析回数:週3回(月水金)
(2)1回あたり透析時間5時間(平成19年3月26日より変更)
現在最も多く主流を占めているのは「週3回・1回4時間」ですが、この一般的・平均的な「週3回・1回4時間」の透析というのは、これまでの国の保険施策に誘導された慣行・慣例であって、透析医学的に十分な根拠があるというわけでは全くありません。その腎代替量は極めて不十分と言わざるを得ません。即ち、血液中のみならず細胞内の毒素も除去するためには透析時間が長ければ長いほど、それだけではなく毎日やった方が良いということは、透析医学上、透析臨床上また統計上からも明らかになっています。私達透析患者は、以上のことをまずしっかりと基本認識しておかなければなりません。
週3日5時間透析が週3日4時間透析より長期生存率が高く、生命予後が良いという具体的なデータもある中で、平成14年度より一旦診療報酬上の透析時間区分が消滅していましたが、平成20年4月1日より、再び透析時間区分が復活(詳細は「人工透析の診療報酬」のコーナー参照)しましたので、透析施設サイドや私達透析患者のコンプライアンス(受容)との折り合いがつけば、透析患者自身が5時間以上の長時間透析を選択することがそれまでよりはしやすくなりました。
私の透析時間の目標は維持透析移行以来1回あたり5時間透析(週3回全回)でしたが、そこにいたる段階的措置として、平成17年3月7日より週3回のうち月曜日だけ4.5時間(水金は4時間)に、平成17年8月17日より全回(週3回)4.5時間に変更した後、平成19年3月26日より、私の要望と諸般の事情が重なり全回(週3回)5時間透析となりました。
いずれにしても、1週間の生体の腎機能をわずか1日で4〜5時間、1週間で12〜15時間ですべて代用しなければならないために、いわゆる「不均衡症候群」(詳細は「私の透析日の一日」のコーナー参照)が生ずるのはむしろあたりまえと私は受け止めています。
「TDF−2.0」(東レ<株>社製)
(平成20年1月9日より変更)
(1)メーカーの謳い文句
「トレスルホンHDF」は、限外濾過性能に優れた東レ・ポリスルホン膜を使用したHDF用のフィルターです。置換液量増大に伴う治療に使用できるよう、限外濾過率を高く、かつアルブミンの漏出を抑える設計にしています。(基本的に後希釈、ボトル方式<オフライン>で施行することを前提としてHDF専用に設計)
(2)仕様
@ 中空糸
・材質 合成高分子系膜「ポリスルホン(PS)」
(ダイアライザーT型〜X型どれにも属せず)
〔ヘモダイアフィルター<血液透析濾過器>に分類〕
・有効膜面積 2.0u
・有効長 257mm
・内径 210μm
・膜厚 40μm
A減菌法
・ガンマ線減菌
B充填液
・無菌水(ウエットタイプ)
C最高使用圧
・66kPa(500mmHg)
D血液側容量
・130mL
(3)性能
@クリアランス
・尿素 197mL/min
・クレアチニン 194mL/min
・ビタミンB12 162mL/min
Aふるい係数
・β2ーMG 0.8
・アルブミン 0.004
B限外濾過率(UFR)
・59(mL/0.13kPa/hr)(mL/hr/mmHg)
(4)発売日
平成19年12月1日
<参考資料>
このHDFフィルターの【形状・構造及び原理等】【使用目的、効能又は効果】【品目仕様等】
【操作方法又は使用方法等】【使用上の注意】【臨床成績】【貯蔵・保管方法及び試用期間】等
の詳細については、添付PDFファイル(クリック)の通りです。
これまでにダイアライザーは、コイル型、積層型、ホロファイバー型(中空糸型)の3種類使用されてきましたが、現在では小型高性能で血液充填量が少なく、操作性、安全性にも優れたホロファイバー型が主流になっています。もちろん私のダイアライザーもこのホロファイバー型です。
透析膜には、天然高分子のセルロース系膜と合成高分子系膜の2つに大別されます。これまでも、機械的強度が強く適度な透水性を維持して低分子量物質の除去性能に優れたセルロース系膜が広く使用されていますが、最近ではβ2−マイクログロブリン等の低分子量蛋白物質の除去を目的とした膜の孔径コントロールや生体適合性の面で優れている合成高分子膜も普及しています。
私の使用しているものは、β2-マイクログロブリンの抜けがもっとも良いとされている合成高分子系膜のポリスルホン(PS)という透析膜です。
現在数多くのダイアライザーが各メーカーから販売されていますが、たくさんのダイアライザーの中から、患者個々の状態(年齢、食事、ドライウエイト、除水量、生化学データ、透析効率、生体適合性等)に合わせてその患者にとって最も適正なダイアライザーが選択されます。
具体的な選択基準は、小分子量物質(BUN、クレアチニン、カリウム、リン等)の溶質クリアランス(除去率)及び限外濾過量(UFR)をベースに透析膜面積(サイズ)を決めます。こうしたいわばダイアライザーの性能の一つの尺度である透析膜面積は、0.2〜2.5uまで何種類もあり、この膜面積の増加に伴い透析性能も増大しますが、膜質によっても透析性能は異なります。
透析膜面積が決まると、透析の合併症の一つであるアミロイドーシスの原因とされるβ2−マイクログロブリンの蓄積、いらいら感、かゆみ、色素沈着の状況によって、個々の栄養状態等を見ながら、たんぱく質であるアルブミンが透析によって除去されない程度のポアサイズ(膜表面にあいた穴<孔の大きさ20〜50Å>)を持った「ハイパフォーマンスダイアライザー」の使用も決定されます。ただ、この「ハイパフォーマンスダイアライザー」は、アルブミンがいくらかは除去されてしまうので、栄養状態の悪い患者には使えないなど誰でも使えるものではありませんし、また血圧低下や発熱等を伴うエンドトキシン(細菌が出す毒素)の問題をクリアーするためにはよりきれいな透析液で透析する必要があります。
また、ダイアライザーには、運搬が容易なドライタイプとウェットタイプがありますが、ウェットタイプは、あらかじめ無菌水が充填されているので、ドライタイプに比べ透析前の準備操作が簡単で、洗浄、気泡除去、プライミングが容易です。私が使っているのはウエットタイプです。
尚、ここで、定期的な血液検査の数値から透析効率や良い透析かどうかを判定するのに有用な指標である「透析量(Kt/V)」について説明しておきましょう。
「透析量」は「Kt/V」と書いて、1回の透析で身体の体液量に比べ何倍の血液量から尿素が浄化されたかを表します。
「Kt/V」の「K」はダイアライザーの尿素を浄化する能力(尿素クリアランス)、「t」は透析時間、「V」は総液体量を表します。
透析患者の尿毒症に起因する有病率(死亡リスクと言ってもいいでしょう)は、この「Kt/V」が0.8以下で高く、0.9〜1.5へと上がるほど持続的に減少します。できるだけ1.6以上(single-pool)が望ましいと言われています。「Kt/V」の数値が低い場合は、一般的には透析時間の延長(例えば5時間透析)が最も効果があると言われています。その他の方法としては、私が行っているように、血流速度を上げるとか、クリアランスの大きいダイアライザーに変えるとか、透析液速度を上げるとか、「血液透析濾過法(HDF)」に切り替えるなどがあります。
| 【4】使用血液回路・カプラー・ETカットフィルター・穿刺針 |
(1)血液回路
「JJ―L1271」(<株>JMS社製)
この血液回路の主な特徴は、
@Tスリーブ(混注口)から針を使わず直接シリンジ(注射器)を接続して採血、薬液注入が行なわれるため、針刺し事故が減少し、安全性が確保できます。尚、Tスリーブ(ニードルレスアクセスポート)は、動脈側回路のピローの上流(透析後採血、輸血等用)と静脈側回路Vチャンバーの上流(薬液注入等用)とVチャンバー上部(液面調整ライン、私の場合は「HDF」の補液ラインとして使用)にそれぞれ1個、合計3個付いています。それから、へパリンラインは、エア混入を防ぐため動脈側回路の血液ポンプの下流に付いています。
Aオスコネクタは、 AVいずれも穿刺針と確実に接続が可能なロックタイプを使用しています。
(2)カプラー
「クリーンカプラー(日機装<株>社製)」
透析液回路とダイアライザーのとの接合器具であるカプラーは、構造上汚染されやすいので、現在は通常のカプラーから、入り口・出口とも抗菌タイプの日機装(株)製のクリーンカプラーに変更しています。(平成16年11月1日より)
(3)ETカットフィルター
「カットールEF−01(日機装<株>社製)」
(膜面積1.2u・膜質疎水性「PEPA」)
透析液をより清浄化するために、ベッドサイドの透析監視装置(コンソール)の下流に上記のエンドトキシン(ET)・カットフィルターが設置されています。当施設では年1回このフィルターを交換しています。
(4)穿刺針
@脱血側(A側)
「ハッピーキャスクランプキャス14G(旧16G)<メディキット社製>」
(平成20年4月16日より、16G<旧18G>から変更)
A返血側(V側)
「ハッピーキャスクランプキャス14G(旧16G)<メディキット社製>」
(平成20年4月16日より、16G<旧18G>から変更)
これらAV2本の穿刺針(透析用留置針)は、カテーテルはテフロンによる継目のない一体成形になっていますので、血栓が生じにくく、血液の流れがスムーズで豊富な流量が得られます。またカテーテル基に止血弁が付いていますので穿刺後、内針を抜き去っても血液が漏れず血液による感染を防止します。さらに指で摘めるやわらかなクランプ部、血液回路との確実な接続を実現するルアーロックハブを有するもので、穿刺針(透析用留置針)の太さはA側・V側とも14G(ゲージ<外径>=側穴あり、カテーテルの長さ38mm=)です。さらに血流を採りやすくするため、平成20年4月16日より、一回り太い穿刺針(透析用留置針)に変えました。
<本穿刺針の詳細は
コチラをクリック>
最高「280ml/分」(平成19年10月1日より変更)
シャントの状態、穿刺血管の状態等それぞれの透析患者の身体の状態やその他の透析条件等を踏まえて個々に決定します。透析毎に毎回変えるものではありませんが、私の場合、できるだけ透析効率(透析量)を上げるべく、それぞれある程度の期間をおいて血流速度を導入時の「180ml/分」から徐々に「200ml/分」「220ml/分」「230ml/分」とアップさせ、「オフラインHDF」への切り替えもあって、平成17年2月14日より「250ml/分」に上げました。さらに、平成18年2月6日から1週間単位で10ml/分づつ上げ、平成18年2月20日より、それまでの最高の「280ml/分」に上げておりましたが、左シャント閉塞に伴う右シャント再造設後は、平成19年4月2日より、最高「250ml/分」、平成19年6月1日より、最高「260ml/分」、平成19年8月1日より、最高「270ml/分」、平成19年10月1日より、最高「280ml/分」にしております。
尚、(血流速度×透析時間)を「総血液処理量」と言います。この「総血液処理量」が増えれば増えるほど「透析量」が上がることは自明の理ですが、少なくともとりあえずドライウエイト(基礎体重)と同程度(DW60kgであれば6OL)、できればドライウエイト(基礎体重)の1.5倍程度(DW60kgであれば90L)にすべきという考え方があります。参考までに、「総血液処理量早見表」(
PDFファイル<クリック>)を添付しておきます。一度自分の「総血液処理量」がどのくらいになっているのか確認されてみて下さい。
「キンダリー3E号」(扶桑薬品工業<株>製)
私が通っている腎クリニックで使用している患者共通の透析液(標準液)の組成成分とそれぞれの濃度は次の通りです。
・ナトリウム(Na) 140mEq/L
・カリウム(K) 2.0mEq/L
・カルシウム(Ca) 2.5mEq/L
・マグネシウム(Mg) 1mEq/L
・塩素(Cl) 114.5mEq/L
・重曹(HCO3) 25mEq/L
・酢酸(CH3COO) 8mEq/L
(pH調整剤氷酢酸のCH3COO2mEq/Lを含む)
・ブドウ糖(グルコース) 150mg/dL
<本透析液の詳細はメーカーの
添付文書(PDFファイル)参照>
透析患者の血液は酸性に片寄るので、透析液はアルカリ性になっています。そのために、透析液に上記のように重曹が入っており、透析液に主に重曹を入れた透析を「重曹透析」とか「バイカーボ透析」(酢酸を少し含む)と言います。これに対し、酢酸だけを入れた透析を「酢酸透析」あるいは「アセテート透析」と言います。酢酸透析は、身体に合わない患者がいて吐き気や低血圧等の症状が出現することがあり、日本では最近では重曹透析が多く行われています。
「500ml/分」(平成17年2月14日より変更)
透析液は患者個々のコンソール(透析装置)へ透析施設内の一括集中管理装置から供給されており、わが腎クリニックでは透析液速度は、基本的に施設内透析患者同一(400ml/分)です。ですが、私の場合上記【5】血流速度アップに伴い、これに見合ってさらに少しでも透析効率(透析量)を上げるべく、400ml/分から500ml/分にしてもらいました。(平成17年2月14日より変更)
「35.0〜37.0℃」
透析中の血圧低下と関係があり、35.0℃から37.0まで位まで設定できますが、透析液温度即ち血液温度が低い方が透析中の血圧低下を招きにくいようです。血圧等そのときの患者の状態や患者希望によって透析毎に設定します。ただいわゆる「低温透析」は、その効果は確かなものがありますが、反面「無駄にエネルギーを消耗する」「下肢痙攣が起きやすくなる」「透析効率が悪くなる可能性がある」「血液が凝固しやすくなる」などの問題点も指摘されています。
私の場合は、35.0℃から37.0℃の範囲(「オフラインHDF」施行以降)にしてもらっていますが、たいがい37.0℃でスタートし、透析の途中で血圧低下があったりすると、最低35.0℃まで下げることもたまにあります。
「ダルテバリン4,000単位(4.0ml)」
(平成19年3月26日より変更)
血液は体外へ出ると凝固する性質があるので、凝固させずに血液を導き、再び返血する体外循環を形成するために血液凝固を防ぐ抗凝固剤が必須となります。
血液透析時の体外循環用抗凝固薬として認可されている抗凝固剤は、「ヘパリン」「低分子量へパリン(LMWH)」「メシル酸ナファモスタット(NM)」「アルガトロバン(ノバスタン)」の4種類のみです。
現在私の使っている抗凝固剤は、「低分子量へパリン(LMWH)」のうち「ダルテバリンナトリウム」の一種「ダルテバリン4,000単位(4.0ml)」です。(平成19年3月26日より、それまでの「ダルテバリン3,000単位<3.0ml>」から、透析時間延長<全回5時間に>に伴い変更いたしました。)この「低分子量へパリン」は、「へパリン」を低分子化したもので、体内凝固系に対する影響が少ないので、出血傾向や眼底出血や手術後等の場合に適応します。また、高脂血症や血小板減少症にも適応します。他に「低分子量へパリン」の商品は、「ローへパ」「ローモリン」「クリバリン」等があります。
私の場合の「ダルテバリン(4.0ml)」の実際の使い方は、9.0mlの生理食塩水で希釈、13.0mlにして、「抗凝固薬注入ポンプ」を使って、透析中動脈回路(私の使用している血液回路では血液ポンプのうしろ<下流>)から投入します。但し、そのうち透析開始時に希釈「ダルテバリン」3mlをワンショット(早送り)します。残り10mlは、透析開始後終了まで5時間ずっと2.0ml/時間のスピードで持続投入します。
この「低分子量へパリン(LMWH)」よりさらに体内凝固系に対しての影響が少ない「メシル酸ナファモスタット(NM)」には、「フサン」「べラブ」「ナオタミン」等という商品がありますが、何しろ高価なのが欠点です。
抗凝固剤は、その種類を頻繁に変えるものでありませんが、透析終了後穿刺箇所の止血に時間がかかる、血液回路やダイ アライザーに残血がある場合等に種類や量を変えることがあります。
「1,300ml入り1バッグ」(「カーミパック」川澄化学工業<株>社製)
ダイアライザーを取り付ける上の方に生理食塩水の1,300ml入りのバッグと500mlのバッグ(補助用)が2本(透析患者共通)ぶら下がっていますが、そのうちの1,300ml入りのバッグの300ml(目安)は、透析終了後即ち返血時に血液が全部スムースに身体に戻るように使用します。返血時の300mlは、当然のことながら透析日その日の透析前体重増に足し算をしてその日の総除水量に加えます。あとの生理食塩水は、透析の事前準備(「プライミング」)に使います。この「プライミング」とは、「生理食塩水で血液回路とダイアライザー内を洗い流し、充填すること」を意味します。その目的(二大目的)は、第一に「ダイアライザーや回路から気泡を除去するため」、第二に「それらの医用材料から溶出した物質を洗い流すため」です。
「75.0Kg」(平成20年6月6日変更<+1.0Kg>)
〔因みに、私の標準体重は(1.79m<身長m>×1.79m×22)=70.5Kg〕
透析患者個々に実際の身体の水分の増え方や透析で除去する水分量を知る上で目安となる体重が決められます。これを「ドライウエイト(適正体重)」と言います。
「ドライウエイト(適正体重)」とは、むくみや胸水・腹水がなく、透析中に急激な血圧低下がなく、生活や仕事をする上で倦怠感や筋肉の痙攣等の症状もなく体調が良いと感じられる体重即ち身体に余分な水分がなくちょうど良い水分の状態のことを言います。
「ドライウエイト(適正体重)」の決め方は、具体的には、
・血圧 最高血圧 150mmHg以下
最低血圧 90mmHg以下
・心胸比 50%以下
(心胸比については「
検査データ」のコーナー参照)
この状態で身体に余分な水分がたまっていないときの体重に設定します。
透析導入直後でだんだん体調が良くなってくると、食欲が出て筋肉や脂肪が増加して「ドライウエイト(適正体重)」をどんどんアップしていかなくてはならない場合も多くあります。
即ち、「ドライウエイト(適正体重)」は、絶対的に決めることはできないわけで、そのときの透析患者個々の症状(体調)・血圧・心胸比に加え「hANP」という指標も参考にし総合的に勘案して判定されます。
この「ドライウエイト(適正体重)」の判定にあたっての参考指標である「hANP(基準値;43.0pg/ml以下)」とは、体液量管理指標の一つで、正式には「血漿心房性Na利尿ホルモン」と言います。(透析患者の場合、一般的に「hANP」は100pg/ml前後(透析後採血)までが許容範囲と言われています。)
また、超音波(エコー)で下大静脈径を測定する方法も「ドライウエイト(適正体重)」の判定には有用です。(体格や性差でばらつきがありますが、下大静脈径の正常値は10mm前後)
「ドライウエイト(適正体重)」設定が低すぎると、透析後筋肉の攣(つ)れ・耳鳴り・嗄声(させい:声が嗄<か>れること)等が出現することがあります。
従って、この「ドライウエイト(適正体重)」は、必ずしも固定されたものではなく、透析患者個々の状態により、あるいは身体の筋肉・脂肪が増えたり減ったりすることにより、上げたり下げたりいたします。現に、私の場合は心胸比が60%を超えた時期があったため徐々に下げたその後、透析中の血圧低下や家庭血圧の低下・嗄声(させい)・腹筋の攣(つ)れ・目のかすみなどが出現してきましたので、心胸比・「hANP」等も見ながら、再び徐々に上げて68.5Kgまで上げてきましたが、その後上昇してきた「心胸比」「hANP」等も考慮して、平成16年4月14日から23日の短期間に500gづつ3回に分けて67.0Kgまでかなり急激に「ドライウエイト(適正体重)」を下げました。その後、「心胸比」・「hANP」がともに上昇してきたことなども考慮し、平成17年4月11日に200g、同年同月20日に300g合計500g「ドライウエイト(適正体重)」をさらに下げました。しかし、その後1ヶ月もしないうちに、透析後半の血圧低下・透析後帰宅後の筋肉の攣れ(腹筋)や肩のズシリ感等の体調・家庭血圧低下がまた顕著になってきましたので、いたしかたなく、とりあえず、平成17年5月13日に「ドライウエイト(適正体重)」を500g上げて元の「67.0Kg」に戻しましたが、まだ症状が消えないので、同年5月23日に500gさらに上げて「67.5Kg」にいたしました。(多分、一時血糖コントロールに軸足をおいたため、一時的に減った実質体重がまた増えだしたからではないかと判断しています。)「ドライウエイト(適正体重)」設定・判定には、たよるべき公式なんてありませんので、関連データをにらみながら調整していくしかありませんが、これらが一定の範囲内(個人差大きい)であれば、何よりも透析後半や家庭血圧の低下がないことも含め体調を最優先にすべきであるといつも思っています。
その後、同様の状況が続いているため、さらに平成17年6月24日と7月22日に500gづつ上げて「68.5Kg」といたしました。そしてさらに、透析後半の血圧低下、透析後当日自宅での腹筋の攣れ等を勘案し、平成17年11月11日に500g上げ、平成18年1月2日と平成18年1月23にそれぞれ500gづつ、合計1kgアップして「70.0Kg」としました。(因みに、私の標準体重は「70.5Kg」)尚、確認・参考のための平成18年1月9日透析後採血の「hANP」は「65pg/ml」(前回比▲5pg)、平成18年1月27日撮影の胸部レントゲン撮影に基く「心胸比(CTR)」は「49.0%」(前回比▲2ポイント)でした。
その後、適宜順次500gづつお残し対応で実質「ドライウエイト(適正体重)」を徐々に上げてきましたが、平成18年5月26日撮影の胸部レントゲン撮影に基く「心胸比(CTR)」「47.4%」(前回比▲6.7ポイント)、同日透析後採血の「hANP」「47pg/ml」(前回比+2pg)を受け、正式に「ドライウエイト(適正体重)」を「73.0Kg」といたしました。
その後、平成18年7月28日撮影の胸部レントゲン撮影に基く「心胸比(CTR)」「46.3%」(前回比▲1.1ポイント)、同日透析後採血の「hANP」「40pg/ml」(前回比▲7pg)を受け、「ドライウエイト(適正体重)」をさらに500g増やし「73.5Kg」といたしました。(またまた太ってしまいました。)
その後、平成19年2月5日撮影の胸部レントゲン撮影に基く「心胸比(CTR)」「49.5%」(前回比▲3.1ポイント)を受け、「ドライウエイト(適正体重)」はさらに500g増え「74.0Kg」となりました。
その後、「ドライウエイト(適正体重)」は、1年4ヶ月いじっていませんでしたが、平成20年6月6日より、1Kg増やし「75.0Kg」としました。直近の平成20年5月30日の透析後胸部レントゲン撮影に基く「心胸比(CTR)」=「51.5%」(前回比+1.2ポイント)、同日透析後採血の「hANP」=「55.9pg/ml」(前回比▲25.3pg)でしたが、このことも踏まえ、そのときの透析中の血圧低下(特に後半)や家庭血圧の低下と体調を最優先して、「ドライウエイト(適正体重)」を上げたというわけです。(これで、私の「BMI」は「23.4」となりましたが、肥満ではないもののやや太り過ぎの観を呈しております。)