【1】透析方法

(1)血液透析濾過法(オンラインHDF)<平成29年3月6日機種変更>
 (コンソール:「TR-3000MA<写真クリック>」)
  =東レメディカル<株>社製のオンラインHDF認可機種=
(2)使用総補充液30L・前希釈(後記【6】の透析液を使用)
平成13年11月29日透析開始以来、透析方法は「血液透析(HD)」でしたが、平成16年11月1日より、わが腎クリニック増床に伴い、「透析」と「濾過」を同時に行って、低~高分子領域まで除去できる「血液透析濾過法(オフラインHDF)」に変更いたしました。その後、平成25年11月18日より、さらに透析効果に優れる「血液透析濾過法(オンラインHDF)」に変更しました。
尚、「血液透析濾過法(オンラインHDF)」の補充液は、後記【6】の透析液を用い、1分あたり100ml、1時間あたり6L、総量30Lを使用します。ヘモダイアフィルターの中を流れる本来の透析液流量は、これまでと同じ「500ml/分」です。従って、補充液の分と合わせた透析液流量は「600ml/分」となります。
尚、コンソール「TR-3000MA」の添付文書がインターネット上に公開されていますので、紹介しておき
ましょう。(ココクリック


【2】透析回数と時間
 
 (1)透析回数:週3回(月水金)
 
(2)1回あたり透析時間5時間(平成19年3月26日より変更)

現在最も多く主流を占めているのは「週3回・1回4時間」ですが、この一般的・平均的な「週3回・1回4時間」の透析というのは、これまでの国の保険施策に誘導された慣行・慣例であって、透析医学的に十分な根拠があるというわけでは全くありません。その腎代替量は極めて不十分と言わざるを得ません。即ち、血液中のみならず細胞内の毒素も除去するためには透析時間が長ければ長いほど、それだけではなく毎日やった方が良いということは、透析医学上、透析臨床上また統計上からも明らかになっています。私達透析患者は、以上のことをまずしっかりと基本認識しておかなければなりません。
 週3日5時間透析が週3日4時間透析より長期生存率が高く、生命予後が良いという具体的なデータもある中で、平成14年度より一旦診療報酬上の透析時間区分が消滅していましたが、平成20年4月1日より、再び透析時間区分が復活(詳細は「人工透析の診療報酬」のコーナー参照)しましたので、透析施設サイドや私達透析患者のコンプライアンス(受容)との折り合いがつけば、透析患者自身が5時間以上の長時間透析を選択することがそれまでよりはしやすくなりました。
 私の透析時間の目標は維持透析移行以来1回あたり5時間透析(週3回全回)でしたが、そこにいたる段階的措置として、平成17年3月7日より週3回のうち月曜日だけ4.5時間(水金は4時間)に、平成17年8月17日より全回(週3回)4.5時間に変更した後、平成19年3月26日より、私の要望と諸般の事情が重なり全回(週3回)5時間透析となりました。
 いずれにしても、1週間の生体の腎機能をわずか1日で4~5時間、1週間で12~15時間ですべて代用しなければならないために、いわゆる「不均衡症候群」(詳細は「私の透析日の一日」のコーナー参照)が生ずるのはむしろあたりまえと私は受け止めています。

【3】使用ヘモダイアフィルター(透析器)

MFX-21Eeco」(二プロ<株>社製)
(平成26年7月21日より、「TDFー20M」から変更)



(1)仕様
① 中空糸
・材質    合成高分子系膜「ポリエーテルスルホン(PES)」
        (ダイアライザーのⅠa・Ⅰb・Ⅱa・Ⅱb型どれにも属せず)
      〔ヘモダイアフィルター<血液透析濾過器>に分類〕
・膜面積   2.1㎡
・内径    200μm
・膜厚    40μm
②減菌法
・ガンマ線減菌
③透析膜のタイプ
・ドライタイプ
④最高使用圧力
・66.6kPa(500mmHg)
⑤血液充填量
・128mL
(2)性能
①クリアランス
・尿素      249mL/min 
・クレアチニン  247mL/min
・リン酸     241mL/min 
・ビタミンB12 213mL/min
<注>クリアランス測定条件
QB=250mL/min、QD=500mL/min、QF=30mL(min・㎡)、
試験液は水溶液  
②ふるい係数
・アルブミン  0.01
・イヌリン   1.15
・β2ーMG   1.04
③限外濾過率(UFR)
・585mL/hr/kPa(78mL/hr/mmHg)
(3)発売時期
平成23年2月下旬
<参考資料>
このHDFフィルターの【形状・構造及び原理等】【使用目的、効能又は効果】【品目仕様等】
【操作方法又は使用方法等】【使用上の注意】【臨床成績】【貯蔵・保管方法及び試用期間】等
の詳細については、添付PDFファイル(クリック)の通りです。
尚、2012年4月時点市販されているダイアライザー一覧およびヘモダイアフィルタ性能評価表(いずれも旧型分類)がインターネットに公開されていますのでココをクリックしてご覧ください。


 これまでにダイアライザーは、コイル型、積層型、ホロファイバー型(中空糸型)の3種類使用されてきましたが、現在では小型高性能で血液充填量が少なく、操作性、安全性にも優れたホロファイバー型が主流になっています。もちろん私のダイアライザーもこのホロファイバー型です。
 透析膜には、天然高分子のセルロース系膜と合成高分子系膜の2つに大別されます。これまでも、機械的強度が強く適度な透水性を維持して低分子量物質の除去性能に優れたセルロース系膜が広く使用されていますが、最近ではβ2-マイクログロブリン等の低分子量蛋白物質の除去を目的とした膜の孔径コントロールや生体適合性の面で優れている合成高分子膜も普及しています。
 私の使用しているものは、β2-マイクログロブリンの抜けがもっとも良いとされている合成高分子系膜のポリスルホン(PS)という透析膜です。
 現在数多くのダイアライザーが各メーカーから販売されていますが、たくさんのダイアライザーの中から、患者個々の状態(年齢、食事、ドライウエイト、除水量、生化学データ、透析効率、生体適合性等)に合わせてその患者にとって最も適正なダイアライザーが選択されます。
 具体的な選択基準は、小分子量物質(BUN、クレアチニン、カリウム、リン等)の溶質クリアランス(除去率)及び限外濾過量(UFR)をベースに透析膜面積(サイズ)を決めます。こうしたいわばダイアライザーの性能の一つの尺度である透析膜面積は、0.6~2.5㎡まで何種類もあり、この膜面積の増加に伴い透析性能も増大しますが、膜質によっても透析性能は異なります。
 透析膜面積が決まると、透析の合併症の一つであるアミロイドーシスの原因とされるβ2-マイクログロブリンの蓄積、いらいら感、かゆみ、色素沈着の状況によって、個々の栄養状態等を見ながら、たんぱく質であるアルブミンが透析によって除去されない程度のポアサイズ(膜表面にあいた穴<孔の大きさ20~50Å>)を持った「ハイパフォーマンスダイアライザー」の使用も決定されます。ただ、この「ハイパフォーマンスダイアライザー」は、アルブミンがいくらかは除去されてしまうので、栄養状態の悪い患者には使えないなど誰でも使えるものではありませんし、また血圧低下や発熱等を伴うエンドトキシン(細菌が出す毒素)の問題をクリアーするためにはよりきれいな透析液で透析する必要があります。
 また、ダイアライザーには、運搬が容易なドライタイプとウェットタイプがありますが、ウェットタイプは、あらかじめ無菌水が充填されているので、ドライタイプに比べ透析前の準備操作が簡単で、洗浄、気泡除去、プライミングが容易です。私が使っているのはドライタイプのヘモダイアフィルターです。

 尚、ここで、定期的な血液検査の数値から透析効率や良い透析かどうかを判定するのに有用な指標である「透析量(Kt/V)」について説明しておきましょう。
 「透析量」は「Kt/V」と書いて、1回の透析で身体の体液量に比べ何倍の血液量から尿素が浄化されたかを表します。
 「Kt/V」の「K」はダイアライザーの尿素を浄化する能力(尿素クリアランス)、「t」は透析時間、「V」は総液体量を表します。
透析患者の尿毒症に起因する有病率(死亡リスクと言ってもいいでしょう)は、この「Kt/V」が0.8以下で高く、0.9~1.5へと上がるほど持続的に減少します。できるだけ1.6以上(single-pool)が望ましいと言われています。「Kt/V」の数値が低い場合は、一般的には透析時間の延長(例えば5時間透析)が最も効果があると言われています。その他の方法としては、私が行っているように、血流速度を上げるとか、クリアランスの大きいダイアライザーに変えるとか、透析液速度を上げるとか、「血液透析濾過法(HDF)」に切り替えるなどがあります。  


【4】使用血液回路・カプラー・ET捕捉フィルター・穿刺針
 
(1)血液回路
「JJ―S1600」(<株>JMS社製)
この血液回路の主な特徴は、次の通りです。
①Tスリーブ(混注口)から針を使わず直接シリンジ(注射器)を接続して採血、薬液注入が行なわれるため、
針刺し事故が減少し、安全性が確保できます。尚、Tスリーブ(ニードルレスアクセスポート)は、動脈側回
路の上流(透析後採血、輸血等用)と静脈側回路Vチャンバーの上流(薬液注入等用)・その間(オフラインH
DF補液用、薬液注入等予備)にそれぞれ1個、合計3個付いています。へパリンラインは、エア混入を防ぐ
ため動脈側回路の血液ポンプの下流に付いています。
それから、「オンラインHDF」の補液は、動脈側回路Aチャンバー上部の液面調整ラインと透析液補液ライン
をつないで行います。
②オスコネクタは、 AVいずれも穿刺針と確実に接続が可能なロックタイプを使用しています。
③この血液回路には、血液回路に血栓ができにくくするため、ピローが付いていません。その替わりにモニタ
ー画面上に動脈圧とそれと連動した脱血圧が表示されます。基本的に脱血圧のマイナス値が概ね3ケタ以上になると脱血不良と判断されます。
<この血液回路の詳細は添付文書(クリック)参照>
(2)カプラー
「クリーンカプラー(日機装<株>社製)」
透析液回路とダイアライザーのとの接合器具であるカプラーは、構造上汚染されやすいので、現在は通常のカプラーから、入り口・出口とも抗菌タイプの日機装(株)製のクリーンカプラーに変更しています。(平成16年11月1日より)
(3)エンドトキシン捕捉フィルター(ETRF)
「TE-1.2R(東レメディカル<株>社製)」
(膜面積1.2㎡・膜材質「PS」)
透析液をより清浄化するために、ベッドサイドの透析監視装置(コンソール)の下流に上記のエンドトキシン捕
捉フィルター(ETRF)が直列に2本設置されています。当施設では3ヶ月に1回このフィルターを交換します。
(4)穿刺針
①脱血側(A側)
「ハッピーキャスクランプキャス15G・有効長25mm・側孔有り(メディキット<株>製)」 
返血側(V側)
「ハッピーキャスクランプキャス15G・有効長25mm・側孔有り(メディキット<株>製)」
(以下本穿刺針<留置針>のメーカーの謳い文句)
・ポリプロピレン製カテーテルへの表面処理技術を向上させ、従来品よりも刺入抵抗が軽減
・内針にニューポイント針(小孔針)を採用、穿刺時のたわみを抑え、よりスムースな操作が可能
・刃面にバックカット加工を採用、特有の切り口による切れの良さを実現

【5】血流速度
 

最高「300ml/分」(平成20年9月1日より変更)

 シャントの状態、穿刺血管の状態等それぞれの透析患者の身体の状態やその他の透析条件等を踏まえて個々に決定します。透析毎に毎回変えるものではありませんが、私の場合、できるだけ透析効率(透析量)を上げるべく、それぞれある程度の期間をおいて血流速度を導入時の「180ml/分」から徐々に「200ml/分」「220ml/分」「230ml/分」とアップさせ、「オフラインHDF」への切り替えもあって、平成17年2月14日より「250ml/分」に上げました。さらに、平成18年2月6日から1週間単位で10ml/分づつ上げ、平成18年2月20日より、それまでの最高の「280ml/分」に上げておりましたが、左シャント閉塞に伴う右シャント再造設後は、平成19年4月2日より最高「250ml/分」、平成19年6月1日より最高「260ml/分」、平成19年8月1日より最高「270ml/分」、平成19年10月1日より最高「280ml/分」、平成20年8月1日より最高「290ml/分」、平成20年9月1日より最高「300ml/分」にしております。
 尚、(血流速度×透析時間)を「総血液処理量」と言います。この「総血液処理量」が増えれば増えるほど「透析量」が上がることは自明の理ですが、少なくともとりあえずドライウエイト(基礎体重)と同程度(DW60kgであれば6OL)、できればドライウエイト(基礎体重)の1.5倍程度(DW60kgであれば90L)にすべきという考え方があります。参考までに、「総血液処理量早見表」(PDFファイル<クリック>)を添付しておきます。一度自分の「総血液処理量」がどのくらいになっているのか確認されてみて下さい。

【6】透析液種類 

   
「キンダリー透析剤4E」(扶桑薬品工業<株>社製)
(平成29年7月19日より、キンダリー透析剤3Eから変更)

 私が通っている腎クリニックで使用している患者共通の透析液(標準液)の組成成分とそれぞれの濃度は次の通りです。
・ナトリウム(Na)      140mEq/L
・カリウム(K)        2.0mEq/L
・カルシウム(Ca)     2.75mEq/L
・マグネシウム(Mg)    1.0mEq/L
・塩素(Cl)       112.25mEq/L
・酢酸(CH3COO)       8mEq/L(pH調整剤氷酢酸のCH3COO2mEq/Lを含む)
・重曹(HCO3)      27.5mEq/L
・ブドウ糖(グルコース)   125mg/dL
 <本透析液の詳細はメーカーの添付文書(PDFファイル)参照>

 透析患者の血液は酸性に片寄るので、透析液はアルカリ性になっています。そのために、透析液に上記のように重曹が入っており、透析液に主に重曹を入れた透析を「重曹透析」とか「バイカーボ透析」(酢酸を少し含む)と言います。これに対し、酢酸だけを入れた透析を「酢酸透析」あるいは「アセテート透析」と言います。「酢酸透析」は、身体に合わない患者がいて吐き気や低血圧等の症状が出現することがあり、日本では現在「重曹透析」がほとんどです。
尚、2011年10月現在、わが国で市販されている透析液の種類は4社で約25種類あります。それぞれの組成については、コチラ(クリック)をご覧下さい。

【7】透析液速度
 
   
「500ml/分」(平成17年2月14日より変更)

 透析液は患者個々のコンソール(透析装置)へ透析施設内の一括集中管理装置から供給されており、わが腎クリニックでは透析液速度は、基本的に施設内透析患者同一(400ml/分)です。ですが、私の場合上記【5】血流速度アップに伴い、これに見合ってさらに少しでも透析効率(透析量)を上げるべく、400ml/分から500ml/分にしてもらいました。(平成17年2月14日より変更)


【8】透析液(血液)温度
 
   
「37.0~35.0℃」
   
透析中の血圧低下と関係があり、透析液温度即ち血液温度が低い方が透析中の血圧低下を招きにくいようです。血圧等そのときの患者の状態や患者希望によって透析毎に設定します。ただいわゆる「低温透析」は、その効果は確かなものがありますが、反面「無駄にエネルギーを消耗する」「下肢痙攣が起きやすくなる」「透析効率が悪くなる可能性がある」「血液が凝固しやすくなる」などの問題点も指摘されています。
私の場合は、37.0℃から35.0℃の範囲(「オフラインHDF」施行以降)の中で、最初37.0℃でスタートし、透析の途中で血圧低下があったりすると、最低35.0℃まで下げることもままあります。
   
【9】使用抗凝固剤とその使用量
 

「クリバリン5,000単位(5.0ml)」
(平成28年1月22日より変更)

  血液は体外へ出ると凝固する性質があるので、凝固させずに血液を導き、再び返血する体外循環を形成するために血液凝固を防ぐ抗凝固剤が必須となります。
 血液透析時の体外循環用抗凝固薬として認可されている抗凝固剤は、「ヘパリン」「低分子量へパリン(LMWH)」「メシル酸ナファモスタット(NM)」「アルガトロバン(ノバスタン、スロンノン)」の4種類のみです。
 現在私の使っている抗凝固剤は、「低分子量へパリン(LMWH)」のうち、一般名「レビパリンナトリウム」商品名「クリバリン」で投与量は「5000単位(5.0ml)です。この「クリバリン」をはじめとする「低分子量へパリン」は、「へパリン」を低分子化したもので、体内凝固系に対する影響が少ないので、出血傾向や眼底出血や手術後等の場合に適応します。また、「低分子量へパリン」の利点として、陰性荷電が小さいため、陽性荷電膜の影響も少ないことや、「高脂血症」「高カリウム血症」「骨粗鬆症」を起こすリスクが「へパリン」よりも少ないことが挙げられます。さらに、「血小板減少症」にも適応します。他に「低分子量へパリン」の商品は、「ローへパ」「ローモリン」「ダルテパリン」等があります。
 私の場合の「クリバリン(5.0ml)」の実際の使い方は、8.0mlの生理食塩水で希釈、13.0mlにして、「抗凝固薬注入ポンプ」を使って、透析中動脈回路(私の使用している血液回路では血液ポンプのうしろ<下流>)から投入します。但し、そのうち透析開始時に希釈「クリバリン」3mlをワンショット(早送り)します。残り10mlは、透析開始後終了まで5時間ずっと2.0ml/時間のスピードで持続投入します。
 この「低分子量へパリン(LMWH)」よりさらに体内凝固系に対しての影響が少ない「メシル酸ナファモスタット(NM)」には、「フサン」「べラブ」「ナオタミン」等という商品がありますが、何しろ高価なのが欠点です。 
 抗凝固剤は、その種類を頻繁に変えるものでありませんが、透析終了後穿刺箇所の止血に時間がかかる、血液回路やヘモダイアフィルターやダイアライザ—に残血がある場合等に種類や量を変えることがあります。
 尚、「クリバリン」の添付文書は、ココをクリックしてご覧下さい。

【10】プライミング&返血用使用液
 
プライミングと返血用使用液は、これまで生理食塩水(0.9%)を使用していましたが、平成29年5月10日より、前記【6】の透析液を使用するようになりました。
透析の事前準備、即ちプライミングとは、透析液で血液回路とダイアライザー(もしくはヘモダイアフィルター)内を洗い流し、充填(300ml)すること」を意味します。その目的(二大目的)は、第一に「ダイアライザー(もしくはヘモダイアフィルター)や血液回路から気泡を除去するため」、第二に「それらの医用材料から溶出した物質を洗い流すため」です。
それから、透析終了後、即ち返血時に血液が全部スムースに身体に戻るように透析液300mlを使用します。返血時の300mlは、当然のことながら透析日その日の透析前体重増に足し算をしてその日の総除水量に加えます。
(実際は、プライミング時の充填分300mlの透析液が身体に入ることになります。)

【11】ドライウエイト(適正体重)

「64.5Kg」(平成30年7月30日変更)
 〔因みに、私の標準体重は(1.79m<身長m>×1.79m×22)=70.5Kg〕


 透析患者個々に実際の身体の水分の増え方や透析で除去する水分量を知る上で目安となる体重が決められます。これを「ドライウエイト(適正体重)」と言います。
「ドライウエイト(適正体重)」とは、むくみや胸水・腹水がなく、透析中に急激な血圧低下がなく、生活や仕事をする上で倦怠感や筋肉の痙攣等の症状もなく体調が良いと感じられる体重即ち身体に余分な水分がなくちょうど良い水分の状態のことを言います。
 「ドライウエイト(適正体重)」の決め方は、具体的には、
・血圧    最高血圧 150mmHg以下  
         最低血圧  90mmHg以下
・心胸比   50%以下
(心胸比については「検査データ」のコーナー参照)
 この状態で身体に余分な水分がたまっていないときの体重に設定します。
 透析導入直後でだんだん体調が良くなってくると、食欲が出て筋肉や脂肪が増加して「ドライウエイト(適正体重)」をどんどんアップしていかなくてはならない場合も多くあります。
 即ち、「ドライウエイト(適正体重)」は、絶対的に決めることはできないわけで、そのときの透析患者個々の症状(体調)・血圧・心胸比に加え「hANP」という指標も参考にし総合的に勘案して判定されます。
 この「ドライウエイト(適正体重)」の判定にあたっての参考指標である「hANP(基準値;43.0pg/ml以下)」とは、体液量管理指標の一つで、正式には「血漿心房性Na利尿ホルモン」と言います。(透析患者の場合、一般的に「hANP」は100pg/ml前後(透析後採血)までが許容範囲と言われています。)
また、超音波(エコー)で下大静脈径を測定する方法も「ドライウエイト(適正体重)」の判定には有用です。(体格や性差でばらつきがありますが、下大静脈径の正常値は10mm前後)
「ドライウエイト(適正体重)」設定が低すぎると、透析後筋肉の攣(つ)れ・耳鳴り・嗄声(させい:声が嗄<か>れること)等が出現することがあります。   
 従って、この「ドライウエイト(適正体重)」は、必ずしも固定されたものではなく、透析患者個々の状態により、あるいは身体の筋肉・脂肪が増えたり減ったりすることにより、上げたり下げたりいたします。
 現に、私の場合も透析導入後、「心胸比」・「hANP」の参考指標や透析中の血圧・家庭血圧や体調等を総合的に勘案し、これまで都度「ドライウエイト(適正体重)」を適宜変更してきました。平成25年5月24日の透析後胸部レントゲン撮影(そのときのDW<70.0kg>+1.0kg増の「71.0kg」で撮影)に基く「心胸比(CTR)」=「48.39%」、同日透析後採血の「hANP」=「68.3pg/ml」に加え、透析中や家庭血圧の推移と体調等を総合的に勘案し、平成25年7月1日より、「ドライウエト(適正体重)」を1.0Kg上げて「71.0Kg」としました。 
その後、平成26年7月25日(金)撮影の胸部レントゲン撮影(DW<71.0kg>−1kgの「70.0kg」で撮影)に基く「心胸比(CTR)」は「57.07%(前回比+3.02ポイント)」となりましたので、透析中血圧・家庭血圧の推移に加え比較的高水準の透析量等を総合的に勘案し、とりあえず、平成26年7月28日より、「ドライウイト(DW)71.0kg」から正式に1kg減の「ドライウイト(DW)70.0kg」にいたしました。
その後、重篤な疾患に罹ったため、「ドライウイト(DW)」を一時「57.0kg」まで激減させましたが、平成28年3月25日(金)撮影の胸部レントゲン撮影に基く「心胸比(CTR)」、体調、透析中血圧・家庭血圧の推移等に加え安定的高水準の透析量等を総合的に勘案し、平成28年3月28日より、「ドライウイト(DW)」を「64.0kg」にいたしました。その後、体重も徐々に回復してきましたので、最大2kgのお残し対応で除水を行ってきましたが、平成28年11月25日(金)撮影の胸部レントゲン撮影(DW64.0kg+2.1kgの「66.1kg」で撮影)に基く「心胸比(CTR)」は「53.86%(前回比−0.22ポイント)」でした。DWより2.1kg多い体重で測定しましたので、このことを考慮するとともに、普段の体調、透析中血圧・家庭血圧低下といった推移に加え比較的高水準の透析量等を総合的に勘案し、「ドライウエイト(DW)」を2kg増やし、平成28年11月28日より、「66.0kgといたしました。
その後、平成30年7月27日(金)撮影の胸部レントゲン撮影に基く「心胸比(CTR)」は、「58.9%(前回比−0.16ポイント)」でした。DWより1.5kg少ない体重で測定しましたので、このことを考慮するとともに、普段の体調、透析中血圧・家庭血圧低下といった推移に加え比較的高水準の透析量等を総合的に勘案し、「ドライウエイト(DW)」を1.5kg減らし、平成30年7月30日から、「64.5kg」といたしました。平成30年に入ってからの複数の入院等により、少し痩せました。