平成14年4月1日より、社会保険診療報酬等の大幅改定(人工透析関連含め)があり、その後2年毎に人工透析に係わる診療報酬も改定されてきておりますので、ここで人工透析に係わる診療報酬改定の概要について、その経過を含め説明しておきましょう。まず、平成14年度の改訂内容を記載し、その後の改訂については【追記】という形で載せていきます。

【1】平成14年度社会保険診療報酬等改定の基本的考え方
 
(1)賃金・物価動向・経済動向を踏まえ、平均▲2・7%の改定を行なう。
 基本診察料を含め広範の項目について合理化し、医療の質の向上等の観点から重点的な評価を実施する。
(2)具体的には、効率的な医療提供体制の確保・患者の特性に応じた医療の評価・医療技術の適正評価等の観点から、所要の見直しを実施する。
 さらに、体系的な見直しを図る観点から、長期入院に係る保険給付範囲の見直し・特定機能病院等における医療機関別包括括評価の導入・患者ニーズの多様化に対応するための特定療養費制度見直しを行なう。
(3)さらには、平成14年度薬価制度改革、保険医療材料制度改革にあわせて、薬剤関係技術料の見直しや医療技術に係わる施設要件の見直しを行なう。


【2】平成14年度人工透析に係わる診療報酬改定について
 
◆診療報酬改定の背景
(1)人工透析患者は年々増え続け、1996年末に167,192人であったものが、年後の2004年末には248,166人とこの間人数にして80,974人、率にして48%も増加しており、年間医療費も、約28兆円の医療費全体のうち、約1兆円が透析を含めた腎不全関連の医療費に使われています。
(2)全体の医療費の圧縮を余儀なくされている中で、人工透析医療についても透析実施時間による評価を廃止し、障害等により特別の対応が必要な患者に対する重点化が図られました。実際の人工透析患者の透析実施時間の実態をみると、4時間以上5時間未満が8割を超え、残り半分づつが4時間未満と5時間以上透析となっています。
(3)食事加算については、医療全体が食事療養費の対応になっている今日、公平・公正感から人工透析患者もその負担はやむを得ないとするものです。
(4)その他の人工透析診療報酬等についても、全体の医療費削減の一環として引き下げられました。 

◆診療報酬改定の具体的内容
(1)従来は、人工透析の実施時間により診療報酬点数(1点=10円)が定められていましたが、以下のように一本化されました。

<人工腎臓(1日につき)>
 =外来透析の場合=
透析時間 旧診療報酬点数 新診療報酬点数
4時間未満 1,630点 時間区分撤廃
一律1,960点
4時間以上5時間未満 2,110点
5時間以上 2,210点

 =入院透析の場合=

透析時間 旧診療報酬点数 新診療報酬点数
4時間未満 1,335点 時間区分撤廃
一律1,590点
4時間以上5時間未満 1,770点
5時間以上 1,870点

(2)その代わり、障害者加算の対象が見直されました。次のような著しく人工腎臓が困難な障害者等に対して人工透析を行なう場合には、1日につき120点が加算されます。
  ①難病指定を受けている患者で介護を要する者
  ②インスリン注射を行なっている糖尿病の患者
  ③運動麻痺を伴う脳血管疾患患者
  ④末期癌患者で入院中の者
  ⑤人工呼吸器使用中患者、重症心不全患者、妊婦、0~12歳までの乳幼児、配菌中の結核患者(新設項目)
(3)外来人工透析患者の透析時間中の食事加算(食事<治療食>を提供した場合63点)が廃止されました。
(4)その他次表の項目の診療報酬等がそれぞれ引き下げられました。
対象項目 旧診療報酬点数 新診療報酬点数
透析の検査 慢性維持透析患者
外来医学管理料 2,800点
2,670点
自己腹膜灌流指導管理料 紫外線殺菌を使用 400点
又は自己腹膜灌流装置を使用
        2,700点
360点

2,500点
ダイアライザー 9.5%の価格引下げ
薬関係 平均5%以上の薬価引き下げ(透析でよく使用するもの)

尚、一説によれば人工透析患者一人あたりの医療費は、月額約43万円だそうです。
【追記】
 平成16年4月1日からの人工透析診療報酬の主な引き下げ内容
 (1)慢性維持透析患者外来医学管理料(月1回)
   2,670点→2,460点
 (2)人工腎臓用特定医療材料価格(ダイアライザー1個あたり) 
   ・Ⅰ型1.5㎡未満 2,920円→2,630円
   ・Ⅰ型1.5㎡以上 2,970円→2,420円
   ・Ⅱ型1.5㎡未満 3,090円→2,750円
   ・Ⅱ型1.5㎡以上 3,190円→2,800円
   ・特定積層型   9,720円→8,250円

【追記】
 平成18年4月1日からの人工透析診療報酬の主な改定内容

1.基本的考え方
①慢性維持透析患者外来医学管理料は、安定した状態にある慢性維持透析患者について、特定の検査結果に基づく計画的な治療管理を評価した項目であり、検体検査実施料等が包括されている。今回改定において、市場実勢価格を踏まえた検体検査実施料の見直しが行われることから、当該項目についても併せて見直しを行うこととする。
②人工腎臓には夜間又は休日に実施した場合に加算を算定することとしているが、人工腎臓は計画的に実施されること、そのため実施医療機関は診療応需の体制にあること等から、当該加算に係わる評価を引き下げることとする。
③また、大部分の慢性維持透析患者は、人工腎臓実施時にエリスロポエチン製剤の投与を受けており、適切な透析の実施により一定程度貧血の改善が期待される。こうしたことを踏まえ、人工腎臓の適切な評価及び請求事務の簡素化を図る観点から、エリスロポエチン製剤について人工腎臓に含め包括的に評価することとする。(出来高払いから包括払いに改める。)
2.診療報酬点数
①慢性維持透析患者外来医学管理料について、検体検査実施料の見直しを踏まえ、適正化を行う。
<慢性維持透析患者外来医学管理料>
 2,460点→2,305点(▲155点)
②人工腎臓の夜間加算及び休日加算について、評価を引き下げる。
<人工腎臓に係わる夜間加算及び休日加算>
 500点→300点(▲200点)
③人工腎臓について、エリスロポエチン製剤を含め包括的に評価して適正化する。
<人工腎臓(入院中以外の場合)=人工透析技術料・人工透析手技料>

 1,960点→2,250点(+290点⇒しかし、実際にはEPO製剤1500単位1回の使用にも満たない。)

3.人工腎臓用特定医療材料価格(ダイアライザー等1個あたり) 
・Ⅰ型1.5㎡未満   2,630円→2,300円

 Ⅰ型1.5㎡以上   2,420円→2,070円

・Ⅱ型1.5㎡未満   2,750円→1,660円

 Ⅱ型1.5㎡以上   2,800円→1,880円

・Ⅲ型1.5㎡未満          1,710円

 Ⅲ型1.5㎡以上          2,220円

・Ⅳ型1.5㎡未満          2,240円

 Ⅳ型1.5㎡以上          2,350円

・Ⅴ型1.5㎡未満          2,620円

 Ⅴ型1.5㎡以上          2,660円

・特定積層型     8,250円→7,920円

・ヘモフィルター   8,530円→5,360円

・吸着型血液浄化器     

 腎補助用     48,300円→36,100円

 β2ーMG除去用 25,400円→23,400円

<注>ダイアライザーは「β2ーMG」除去率に応じてⅠ型からⅤ型に分類

・Ⅰ型 10%以下

・Ⅱ型 10~30%以下 

・Ⅲ型 30~50%以下

・Ⅳ型 50~70%以下

・Ⅴ型 70%以上

(Ⅴ型は「APS-E」「PES-Sα」「FDY-10シリーズ」のみ)


【追記】
 平成20年4月1日からの人工透析診療報酬の主な改定内容
1.基本的考え方
副作用等により、透析時間を長くせざる得ない患者がいることや、透析時間が生命予後に影響を与える可能性があること等を考慮し、透析時間に応じた、診療報酬上の評価を行う。
2.診療報酬点数(透析時間に応じた評価の再導入)
入院中の患者以外の患者に対して行った場合(血液透析濾過を行った場合や生命に危険を及ぼす程度の重篤な出血性合併症を有する患者に対して血液透析を行った場合等を除く)の人工腎臓(外来維持透析)
【人工腎臓】<1日につき>
     (現行)               (改定内容)
                イ 4時間未満        2,117点
  一律 2,250点     ロ 4時間以上5時間未満  2,267点
                ハ 5時間以上        2,397点
(入院透析やHDF<ボトル方式>はこれまで通り1,590点で出来高払い)
3.人工腎臓用特定医療材料価格(ダイアライザー等1個あたり)=回路を含む= 
・Ⅰ型1.5㎡未満     2,300円 ⇒ 1,380円
 Ⅰ型1.5㎡以上     2,070円 ⇒ 1,370円
・Ⅱ型1.5㎡未満     1,660円 ⇒ 1,380円
 Ⅱ型1.5㎡以上     1,880円 ⇒ 1,320円
・Ⅲ型1.5㎡未満     1,710円 ⇒ 1,570円
 Ⅲ型1.5㎡以上     2,220円 ⇒ 1,570円
・Ⅳ型1.5㎡未満     2,240円 ⇒ 1,770円
 Ⅳ型1.5㎡以上     2,350円 ⇒ 1,800円
・Ⅴ型1.5㎡未満     2,620円 ⇒ 1,890円
 Ⅴ型1.5㎡以上     2,660円 ⇒ 2,020円
・特定積層型       7,920円 ⇒ 6,220円
・ヘモフィルター     5,360円 ⇒ (変わらず)
・持続緩徐式血液濾過器 25, 800円 ⇒ (変わらず)
・ヘモダイアフィルター  2,790円 ⇒ (変わらず)  
・吸着型血液浄化器     
 β2ーMG除去用  23,400円 ⇒ 22,000円
 腎補助用       36,100円 ⇒ (変わらず)   
<注>ダイアライザーは「β2ーMG」除去率に応じてⅠ型からⅤ型に分類
・Ⅰ型 10%以下
・Ⅱ型 10~30%以下 
・Ⅲ型 30~50%以下
・Ⅳ型 50~70%以下
・Ⅴ型 70%以上
(Ⅴ型は「APS-E」「PES-Sα」「FDY-10シリーズ」のみ)
尚、「慢性維持透析患者外来医学管理料」は(検査)の点数(月2,305点)は、今回の改定では変わりませんが、包括化されている血液化学検査のうち「βーリボ蛋白」が除外されました。

【追記】
 平成22年4月1日からの人工透析診療報酬の主な改定内容
【1】基本的考え方
現在、人工腎臓の際の透析液等の薬剤費は、入院では出来高評価、入院外では包括評価としている。しかし、全身状態が比較的安定している患者に対して行う慢性維持透析においては、入院と外来で同等の医療が提供されていると考えられる。そこで、入院で行う慢性維持透析について評価体系の見直しを行う。
【2】具体的改定内容
1.人工腎臓の評価体系について
入院で行う慢性維持透析について包括評価に変更する。尚、入院において、急性腎不全等に対して実施する人工腎臓については、引き続き出来高評価(「ボトル方式HDF」も)を行う。また、エリスロポエチンの使用量の減少及び同じ効能を有するが低価格のダルベポエチンへの置換が進んでいる現状を踏まえ、包括点数を見直す。
【人工腎臓】<透析一人1回につき>
                        (現行)     (改定内容)
    (イ)4時間未満          2,117点      2,075点 (▲42点)
    (ロ)4時間以上5時間未満   2,267点      2,235点 (▲32点)
    (ハ)5時間以上          2,397点      2,370点 (▲27点)
    (ニ)夜間加算・休日加算     300点       300点 (変わらず)
     <「ボトル方式HDF」は1,580点で出来高払い>
2.透析液の水質管理について
人工腎臓における合併症防止の観点から、使用する透析液についてより厳しい水質基準が求められている。こうした基準を満たした透析液を使用していることに対する評価を新設する。
   (新)透析液水質確保加算10点 (透析一人1回につき)
 【算定要件】
①月1回以上水質検査を実施し、関連学会の定める「透析液水質基準」を満たした透析液を常に使用していること。
②専任の透析液安全管理者1名(医師又は臨床工学技士)を配置していること。
③透析機器安全管理委員会を設置していること。
3.人工腎臓用特定医療材料価格(ダイアライザー等1個あたり)=回路を含む= 
・Ⅰ型1.5㎡未満     1,380円⇒(変わらず)
 Ⅰ型1.5㎡以上     1,370円⇒(変わらず)
・Ⅱ型1.5㎡未満     1,380円⇒(変わらず)
 Ⅱ型1.5㎡以上     1,320円⇒((変わらず)
・Ⅲ型1.5㎡未満     1,570円⇒1,470円(▲100円)
 Ⅲ型1.5㎡以上     1,570円⇒1,510円(▲60円)
・Ⅳ型1.5㎡未満     1,770円⇒1,710円(▲60円)
 Ⅳ型1.5㎡以上     1,800円⇒1,760円(▲40円)
・Ⅴ型1.5㎡未満     1,890円⇒1,830円(▲60円)
 Ⅴ型1.5㎡以上     2,020円⇒1,940円(▲80円)
・特定積層型       6,220円⇒5,980円(▲240円)
・ヘモフィルター      5,360円⇒4,810円(▲550円)
・ヘモダイアフィルター  2,790円⇒(変わらず)  
・吸着型血液浄化器     
 β2ーMG除去用  22,000円⇒(変わらず)
 <注>ダイアライザーは「β2ーMG」除去率に応じてⅠ型からⅤ型に分類
・Ⅰ型 10%以下
・Ⅱ型 10~30%以下 
・Ⅲ型 30~50%以下
・Ⅳ型 50~70%以下
・Ⅴ型 70%以上
(Ⅴ型は「APS-E」「FX-S」「PES-Sα・Sβ・Dα・SEα」「TS-PX」「NVーX」「FDY-GW」「BP-N」)
尚、「慢性維持透析患者外来医学管理料」は(検査)の点数(月2,305点)は、今回の改定でも変更ありませんが、平成20年度改定時にそれまで包括化されている血液化学検査のうち「βーリボ蛋白」が除外されました。


【追記】
 平成24年4月1日からの人工透析診療報酬の主な改定内容
【1】基本的考え方
慢性維持透析における合併症防止の観点から、近年有効性が明らかとなりつつある、新しい血液透析濾過(オンライン血液透析濾過)についての評価等を行う。また、包括薬剤の価格や、より低価格で同様の効果を持つエリスロポエチン製剤使用の実施を踏まえた包括点数の見直しを行う。
【2】具体的改定内容
1.長期に及ぶ慢性維持透析患者の合併症に対し、近年有効性が明らかとなりつつある、透析液から分離作製した置換液を用いた血液透析濾過(オンライン血液透析濾過)についての評価を新設する。オンライン血液透析濾過の実施にあたり、使用する透析液についてより厳しい水質基準が求められることから、透析液水質加算2を新設する。オンライン血液透析濾過を算定する医療機関は、透析液水質確保加算2を算定していることとする。
(新)慢性維持血液透析濾過(複雑なもの)<透析一人1回につき> 2,255点(時間区分なし)
   <いわゆる「オンラインHDF」>

【算定要件】
血液透析濾過のうち、透析液から分離作製した置換液を用いて血液透析濾過を行っている場合に算定する。
【施設基準】
透析液水質確保加算2を算定していること。
(透析液水質確保加算2についての施設基準)
①月1回以上水質検査を実施し、関連学会から示せれている基準を満たした血液透析濾過用の置換液を作成し、使用していること。
②透析機器安全管理委員会を設置し、その責任者として専任の医師又は専任の臨床工学技士が1名以上配置されていること。
(1)透析液水質確保加算1(従来からのもの)   8点(▲2点)
(2)透析液水質確保加算2(新設)         20点
2.エリスロポエチンの価格が低下し、同じ効果を有するがより低価格であるエポエチンベータペゴル等への置換が進んでいる現状を踏まえ、包括点数を見直す。
【人工腎臓】<透析一人1回につき>
                        (現行)       (改定内容)
      (イ)4時間未満          2,075点      2,040点 (▲35点)
      (ロ)4時間以上5時間未満   2,235点      2,205点 (▲30点)
      (ハ)5時間以上          2,370点      2,340点 (▲30点)

      (ニ)夜間加算・休日加算     300点       300点 (変わらず)
        <「ボトル方式HDF」は1,580点で出来高払い(変わらず)>
3.人工腎臓用特定医療材料価格(ダイアライザー等1個あたり)=回路を含む= 
・Ⅰ型1.5㎡未満     1,380円⇒1,660円(+280円)
 Ⅰ型1.5㎡以上     1,370円⇒1,660円(+290円)
・Ⅱ型1.5㎡未満     1,380円⇒1,660円(+280円)
 Ⅱ型1.5㎡以上     1,320円⇒1,660円(+340円)
・Ⅲ型1.5㎡未満     1,470円⇒(変わらず)
 Ⅲ型1.5㎡以上     1,510円⇒(変わらず)
・Ⅳ型1.5㎡未満     1,710円⇒(変わらず)
 Ⅳ型1.5㎡以上     1,760円⇒1,700円(▲60円)
・Ⅴ型1.5㎡未満     1,830円⇒1,800円(▲30円)
 Ⅴ型1.5㎡以上     1,940円⇒1,820円(▲120円)
・Ⅳ型2.0㎡以上     1,730円⇒(新設)
・Ⅴ型2.0㎡以上     1,870円⇒(新設)
・特定積層型       5,980円⇒5,840円(▲140円)
・ヘモフィルター     4,810円⇒4,510円(▲300円)
・ヘモダイアフィルター  2,790円⇒(変わらず)  
・吸着型血液浄化器     
 β2ーMG除去用    22,000円⇒(変わらず)
 <注>ダイアライザーは「β2ーMG」除去率に応じてⅠ型からⅤ型に分類
・Ⅰ型 10%以下
・Ⅱ型 10~30%以下 
 (平成24年度の改定で、Ⅰ型とⅡ型が同じ分類となりました。)
・Ⅲ型 30~50%以下
・Ⅳ型 50~70%以下
・Ⅴ型 70%以上

【追記】
平成26年4月1日からの人工透析診療報酬の主な改定内容

【1】人工腎臓(維持透析を行った場合透析一人1回につき)
                              (現行)      (改定内容)
(イ)4時間未満                    2,040点    2,030点(▲10点)
(ロ)4時間以上5時間未満             2,205点    2,195点(▲10点)
(ハ)5時間以上                    2,340点   2,330点(▲10点)
(二) 慢性維持血液透析濾過(オンラインHDF) 2,250点    2,245点(▲10点)
(ホ)その他の場合(オフラインHDF)       1,580点   (変わらず)=出来高払い=
(へ)夜間加算・休日加算                300点   (変わらず)

【2】施設基準
(1)透析液水質確保加算1   8点(変わらず)
(2)透析液水質確保加算2  20点(変わらず)
        
【3】人工腎臓用特定医療材料価格(ダイアライザー等1個あたり)=回路を含む= 
Ⅰ型1.5㎡未満     1,660円⇒1,610円(▲50円)
Ⅱ型1.5㎡未満     1,660円⇒1,610円(▲50円)
Ⅲ型1.5㎡未満     1,470円⇒1,510円(+40円)
Ⅳ型1.5㎡未満     1,710円⇒1,750円(+40円)
Ⅴ型1.5㎡未満     1,800円⇒1,830円(+30円)
Ⅰ型1.5㎡以上     1,660円⇒1,690円(+30円)
Ⅱ型1.5㎡以上     1,660円⇒1,690円(+30円)
Ⅲ型1.5㎡以上     1,510円⇒1,550円(+40円)
Ⅳ型1.5㎡以上     1,700円⇒1,740円(+40円)
Ⅴ型1.5㎡以上     1,820円⇒1,750円(▲70円)
Ⅳ型2.0㎡以上     1,730円⇒1,770円(+40円)
Ⅴ型2.0㎡以上     1,870円⇒1,830円(▲40円)
特定積層型       5,840円⇒5,870円(+30円)
ヘモフィルター     4,510円⇒4,630円(+120円)
ヘモダイアフィルター  2,790円⇒2,860円(+70円) 
吸着型血液浄化器     
β2ーMG除去用 22,000円⇒22,600円(+600円)
<注>ダイアライザーは「β2ーMG」除去率に応じてⅠ型からⅤ型に分類
・Ⅰ型 10%以下
・Ⅱ型 10~30%以下 
 (平成24年度の改定で、Ⅰ型とⅡ型が同じ分類となりました。)
・Ⅲ型 30~50%以下
・Ⅳ型 50~70%以下
・Ⅴ型 70%以上

【追記】
 平成28年4月1日からの人工透析診療報酬の主な改定内容
【1】基本的考え方
人工腎臓について、包括化されているエリスロポエチン等の実勢価格が下がっていることを踏まえ、評価を適正化する。また、透析困難者等加算の対象となっている難病(特定疾患)56疾患に加え、法改正に伴い新たに指定した指定難病についても、評価を行う。

【2】具体的改定内容
(1)人工透析診療報酬部分(点数:1点=10円)
 項  目  平成26年  平成28年  差 額
 ◆人工腎臓(1日につき)について   
 【1】慢性維持透析を行った場合   
 イ.4時間未満  2030  2010  ▲20
 ロ.4時間以上5時間未満  2195  2175  ▲20
 ハ.5時間以上  2330  2310  ▲20
 【2】慢性維持透析濾過(複雑なもの)を行った場合   
 複雑なもの(オンラインHDF)  2245  2225  ▲20
 【3】その他の場合   
その他の場合(オフラインHDF等)  1580  1580  0
 ◆その他の加算項目(1日につき)について   
 夜間&休日加算 300  300  0 
 導入期加算 300  300  0 
 障害者加算 300  300  0 
 透析液水質確保加算1  8 8   0
 透析液水質確保加算2 20  20  0 
 下肢抹消動脈疾患指導管理加算 ー  100   新設
 慢性維持透析患者外来医学管理料  2250 2250  0 
<捕足説明>
①◆人工腎臓(1日につき)について(点数)の【3】その他の場合は、ちょっとわかりにくい表現方法です。『その他の場合』を適用するのは、ヘパリン起因性血小板などによりアルガトロバン等の高価な抗凝固剤を透析中に使用する場合に適応します。『慢性維持透析を行った場合や慢性維持透析濾過を行った場合』では、抗凝固剤やエポ製剤の点数は透析の点数に包括化されて取れないためです。その他、「オフラインのHDF」もこれに該当します。その他の場合の時は、エポジンやネスプなどのエポ製剤も点数を別に取ることができます。
②◆その他の加算項目(1日につき)について(点数)は、具体的にはそれぞれ次の通りです。
・夜間&休日加算
夜間加算は、17時以降に透析を開始するまたは、21時以降に透析を終える場合に取得できる点数です。休日加算は、祝日に透析をした場合に取得できる点数です。
・導入期加算
導入期加算は、透析を導入期1ヶ月に限り1日300点を加算することができる点数です。
・障害者加算
障害者加算は、痴呆、低血圧など透析を施行するのが困難な患者を透析する場合に取得できる点数です。
・透析液水質確保加算1
透析液の水質を確保して届け出をすることで取得できる点数です。
・透析液水質確保加算2
透析液の水質を確保して届け出をしてオンラインHDFを施行している施設で取得できる点数です。因みに、透析液水質確保加算1と透析液水質確保加算2を同時に取得することはできません。どちらか一方になります。
・下肢抹消動脈疾患指導管理加算(新設)(1ヶ月につき)
下肢抹消動脈疾患指導管理加算は、平成28年度から新設された診療報酬です。糖尿病透析患者が増加している状況の中で、「足病変」が問題になっていますが、透析患者の下肢末梢動脈の虚血について定期的に検査(ABI検査SPP検査⇒詳細はそれぞれクリック)して、異常時には適正に治療している施設には、診療報酬が得られるというものです。下肢病変の早期発見と早期治療により、透析患者を守るために新設された管理料です。
透析患者一人につき毎月1回(100点:1000円)取得できます。
・慢性維持透析患者外来医学管理料(1ヶ月につき)
各種検査費用等透析患者一人につき月に1回取得できる点数です。
尚、この外来医学管理料で賄わなければならない各種検査項目はコチラ(クリック)をご覧ください。
また、慢性維持透析患者の標準的な検査項目及びその頻度は、「日本透析医会」の「安定期慢性維持透析の保険診療マニュアル(平成10年改訂)=クリック=」を参照して下さい。

(2)ダイアライザ―等の透析材料の償還価格部分(単位円)
 項   目  平成26年  平成28年  差 額
 ◆人工腎臓用特定保健医療材料(回路を含む)   
 (1)ダイアライザー      
 1.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積1.5m²未満)
(Ⅰ・Ⅱ)
 1610円  廃止  
 2.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積1.5²未満)
1510円  廃止  
 3.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積1.5²未満)
 1750円   廃止  
 4.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積1.5²未満)
 1830円   廃止  
 5.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積1.5²以上)
 1690円   廃止  
 6.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積1.5²以上)
 1550円   廃止  
 7.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積1.5²以上2.0²未満)
 1740円   廃止  
 8.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積1.5²以上2.0²未満)
 1750円   廃止  
 7.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積2.0²以上)
 1770円   廃止  
 8.ホロファイバー型及び積層型
(膜面積2.0²以上)
 1830円   廃止  
 ダイアライザー
(Ⅰa型 膜面積1.5㎡未満)
   1590円  
 ダイアライザー
(Ⅰa型 膜面積1.5㎡以上)
   1530円  
 ダイアライザー
(Ⅰb型 膜面積1.5㎡未満)
   1610円  
 ダイアライザー
(Ⅰb型 膜面積1.5㎡以上)
   1650円  
 ダイアライザー
(Ⅱa型 膜面積1.5㎡未満)
   1600円  
 ダイアライザー
(Ⅱa型 膜面積1.5㎡以上)
   1670円  
 ダイアライザー
(Ⅱb型 膜面積1.5㎡未満)
   1600円  
 ダイアライザー
(Ⅱb型 膜面積1.5㎡以上)
   1740円  
 ダイアライザー
(s型 膜面積1.5㎡未満)
   1660円  
 ダイアライザー
(s型 膜面積1.5㎡以上)
  1660円   
 特定積層型  5870円 5780円  ▲90円
 (2)ヘモフィルター  4630円  4630円  0円
 (3)吸着型血液浄化器
(β2-ミクログロブリン除去用)
 22600円  22400円  ▲200円
 (4)持続緩徐式血液濾過器      
 標準型  26500円  26500円  0円
 特殊型  27800円  27800円  0円
 (5)ヘモダイアフィルタ  2860円  2810円  ▲50円
<捕足説明>
①平成28年4月からのダイアライザー等の材料費(償還価格)は大幅な変更となりました。まず。大きな変更点として、HD等で使用されるダイアライザーの分類が変更されました。従来は、β2-ミクログロブリンの除去率により、Ⅰ型~Ⅴ型まで型分類されていました。(一つ前の【追記】参照) 平成28年度の診療報酬改定により、β2-ミクログロブリンとアルブミンの漏出量により分類されることになりました。具体的には次図の通りです。

②新しい膜分類のs型というのは、『生体適合性にすぐれる、吸着により溶質除去ができる、抗炎症性、抗酸化性を有すること』と定義されています。現状は、EVAL膜、PMMA膜とされています。
最後に、透析患者一人あたりの1ヶ月の診療報酬(包括化以外の薬剤関連除く)ですが、「全腎協」発行の機関紙「ぜんじんきょう」のNo.251をベースに、最新の一般的・平均的な外来透析患者の場合の1ヶ月の診療報酬は次の通りです。(水質加算2、夜間・休日加算前提)

①再診料(診療所・クリニック)                    72点・720円(透析1回あたり)
②人工腎臓(4時間以上5時間未満)         2,175点・21,750円(透析1回あたり)
③透析水質加算2                          20点・200円(透析1回あたり)
④夜間・休日加算                        300点・ 3,000円(透析1回あたり)
⑤人工腎臓用特定保険医療材料                
(ダイアライザーⅡa型膜面積1.5㎡以上)              1,670円 (透析1回あたり)
⑥小計(透析1回あたりの診療報酬額①+②+③+④+⑤) 27,340円(透析1回あたり)
⑦1ヶ月あたり診療報酬額 27,340円×13回         355,420円(透析1ヶ月あたり)
⑧1ヶ月の慢性維持透析患者外来医学管理料   2,250点・22,500円(透析1ヶ月あたり)              
    合計(1ヶ月にかかる診療報酬額⑦+⑧)          377,920円(透析1ヶ月あたり)


2012年4月時点市販されているダイアライザー一覧及びヘモダイアフィルタ性能評価表(いずれも旧型分類)がインターネットに公開されていますので、ココをクリックすればご覧いただけます。