このコーナーでは、「私の趣味」についてご披露したいと思います。
何でここで「私の趣味」のコーナーが出てくるかと言いますと、人工透析とは直接関係ないにしても間接的に関係があります。と言いますのは、透析時間をどう有意義に過ごすかということを考えたとき、ただテレビだけボーっと観ていてもつまらないと思ったからです。透析患者の皆さんは、透析時間をどう過ごされているのでしょうか。
そこで私は、透析時間を退屈せずに有意義に過ごすために、透析が当初より落ち着いてきた頃から、テレビを観ることのほかにソニー製「ウォークマン」を持ち込んで好きな音楽(「古賀メロディー」等の昭和の「流行歌<はやり唄>」中心)を聴いたり、透析導入前からの趣味である俳句を作る時間に充てたりしています。少し恥ずかしいのですが、そのうち自作俳句について紹介いたします。

俳 句
 俳句がたった17音の「世界一短いポエム(詩)」であることはご承知の通りです。俳句には基本的に次のような約束事(特色)があります。
(1)5音・7音・5音の決まった型(定型)で詠むこと。
(2)「や」「かな」「けり」などの「切(きれ)字(じ)」を使うこと。(必ず使うということではありません)
(3)必ず「季語」を入れること。
(4)原則として文語表現であること。

 この約束事に従えば、俳句は誰にでも作ることができます。しかしながら、いざ俳句を始めてみますと、奥が深くおいそれとはいかないことに気付かされます。
 私も、最初は「俳句でもやってみるか」という軽い気持ちで始めましたので、なかなかうまくいかずすぐ壁にぶちあたりました。あきらめずに今もそれなりに作り続けていますが、少しづつ自然の変化等周囲のものを深くよく見るようになり、めぐりくる四季のさまに新鮮な驚きを味わうことはできるようになったという気がします。そして、今後も俳句を作り続けていくことが、これからの私の人生をきっと豊かにしてくれるのではないかと思っています。
 「俳句は自分とのめぐり合いだ」と言った俳人がいました。俳句を真剣に作り続けていますと、自分がよく見え、同時にまた他人への理解も深くなるということですが、私なんぞはこの域に達するまでにはまだまだ修行が足りません。
 また俳句は、たった17音で感動をいかに表現するか、最も簡潔に的確な言葉を選ばなければなりません。この点、私は独学ではとても無理なので、現在2箇所から俳句の通信講座(詳細は「リンク集」参照)を受講して、諸先生方の添削指導を受けていますが、なかなか思うように上達いたしません。
 私は、最近は主に透析中の時間を利用して、透析の往復に見た風景等を題材に俳句を作りますが、1日にたくさんできるときもあれば、1句もできないときもあります。別に1日のノルマを課しているわけではありませんが、下手な鉄砲ながら、だいぶ数も溜まってきました。
 そこで、これまで私が作った俳句の中から、これまた私の独断と偏見で選んだ純粋なオリジナル66句を恥ずかしながらご披露いたしますので、忌憚のない率直なご批評をいただきたいと思います。また、俳句に合った画像を順次貼り付けていきます。この画像のほとんどは友人「本田実」氏より提供されたものです。尚、私の俳号(≒ペンネーム)は、『廃腎(はいじん)』と申します。

 
・ 初春や勝手口より富士の山


・ 健康を気遣ふ賀状ばかりなり

・ 雪の日やしばし忘らる憂ひ事


・ ぽったりと降り積む雪のあたたかき


・ 雪止みて急に淋しくなりにけり


・ 段々を上るにつれて島の春

・ 母見舞ふ涙とともに水洟

・ 行く春や呆けし母の欠伸かな

・ 母逝きし外はこの世の五月晴れ

・ 幼な児の手に余りをり柏餅

・ つま先のぬくもりありし梅雨さなか

・ 水溜り選びて歩く梅雨小僧

・ 助手席のサングラスより会釈さる

・ 二度三度叩いてもなほ夜の蜘蛛

・ 虫の音とスルメ肴に茶碗酒

・ 彼岸花告げよ咲きし日散りゆく日


・ 曼珠沙華この地このとき裏切らず


・ 迷ひ事父母に尋ぬる墓参かな

・ いささかのこだわりもなし秋彼岸

・ 透析の身にも確かな秋日和


・ 蕗のとうあちらこちらに見つけけり

・ 純な娘の唄にもなりし鹿のふん

・ 馬の背のごとくせり出す夏岬


・ 今年また寝ても覚めても曼珠沙華


・ 夕焼けに紛れて消ゆる赤とんぼ

・ しぐるるや傘をさす人ささぬ人


・ 小春日のいつものところ老婦人

・ また一人みまかる知らせ時雨月

・ 北風にちぎれさうなる岬かな


・ コップ酒一杯あふり鬼やらふ

・ためらいなきごとし散り急ぐ桜


・ 早春の夕日の中へ豆腐売り

・ 昼下がりひょいと出て行き芹を摘む

・ 軒氷柱つらつら思ふつらき事


・ 春浅しほうき持つ手に力入る

・ めでたくも日毎さみしく三が日

・ 楽しさや透析の身にお正月

・ クローバー一葉つまんで独り言


・ 春遠しアラビア文字の貨物船

・ 草もちをほほばりながらバスに乗る

・ 咲き残る花とわが身を重ねをり

・ 雨上がり街の若葉のいと若く

・ 平凡に過ごしたいけど曼珠沙華


・ 花は葉を葉は花を見ず曼珠沙華


・ 新聞のほのとぬくしや冬の朝

・独り身の店主の軒につばめの巣


・「冷やし中華はじめました」とどの店も

・二つ三ついい事あれど梅雨さなか

・五・六個の梅の実供え鐘ひとつ


・紫陽花を見つめてをりし隣の子


・心太三年前も同じ日に

・枝の雪心地好さそな重たさよ


・ それぞれの秋思の深き句会かな

・ 一雨のあとやにはかに秋来る

・ 満月や広場を横切る千鳥足

・ つちふるや朝めしを食らふ昼起きて

・手作りの屋根より低いこひのぼり


・ 咲きて見せ散らして見する桜かな


・ 障子貼り終へて幾度も眺めをり

・ 春愁のカンフル剤の古賀メロディー


透析の朝のご馳走バナナかな

・ 聖夜祭ワインに顔の赤らめり

・ 何事もなく過ぎさりしクリスマス


・ 雪降るや見分けのつかぬ杉・檜

・ 降る雪に途切れ途切れの針仕事

・ 曼珠沙華やぶから棒のごとく咲く