Q84.「MIA症候群」って何ですか。

2005/11/12 (Sat)
A.「Malnutrition(栄養障害)」「Inflammation(慢性炎症状態)」及び「Atherosclerosis(動脈硬化)」それぞれの英語の頭文字をとって、これらを「MIA症候群」と言います。そもそも透析患者は、現在の透析環境で透析を行っていること自体で「MIA症候群」であるとさえ言われています。(栄養障害でも、たんぱく質・エネルギー栄養失調症を「PEM<Protein Energy Malnutrition>」と言います。)この「MIA症候群」から脱却することができるとして、より清浄化された透析液(エンドトキシン測定感度以下及び培養検査でも一般細菌陰性)を使用した「オンラインHDF(Q56.A参照)」を積極的に施行している透析クリニックもあります。清浄化された透析液を用い、生体適合性のよいダイアライザーを使用し、適宜HDF治療を組み合わせると、透析患者の動脈硬化の進行をかなり低減できる可能性は十分あります。(透析患者の動脈硬化の進行は、同じ年齢の健康人に比べ10年以上進行していると言われています。)
 尚、付け加えておきますが、透析液の細菌数の基準については、1995年に提案された100CFU/ml以後は改訂されておらず、2004年度の基準においても別途定めるということになっています。因みに、水道水の水質基準については、水道水の細菌数の基準は100CFU/ml以下と定められており、透析液の細菌数の基準が未だこれと同じというのはあまりにもおそまつであり、透析液に含まれる細菌数についての新たな基準を早急に作成することが必要です。少なくともすべての透析医療に携わる医療関係者は、自分の施設の透析液中の細菌数・エンドトキシン濃度の両方を知っておくことが必要・急務となっているのではないでしょうか。
 尚、2006年7月13日に「日本臨床工学技士会」と「血液浄化関連標準化検討委員会WG2」から発表された「透析液清浄化ガイドライン(案)」の抜粋を次に紹介しておきます。
<抜粋>
(1)透析用水生物学的汚染管理基準
 @ET活性値:50 EU/L未満、目標値1 EU/L未満
 A生菌数:100 CFU/mL未満、目標値10 CFU/mL未満
(2)透析液生物学的汚染管理基準
 @ET活性値:1EU/L未満
 A生菌数:1CFU/mL以下
 B測定頻度:月1回以上測定、1年で全台実施することが望ましい。
<上記(1)(2)とも「オンラインHDF」や「プッシュ&プルHDF」の補充液の場合は、日本薬局方の無菌試験に適合する。治療を行う各施設で、全責任を持ち臨床運用する。>

その後、「日本透析医学会」より「透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準2008」が委員会報告として出されましたので、紹介しておきます。次のガイドラインページのURLをクリックして、<2008年発行>のところをご覧ください。
http://www.jsdt.or.jp/dialysis/2094.html


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