Q77.「PTA」って何ですか。

2005/10/20 (Thu)
A.維持透析の長期化や糖尿病等の血管合併症の多い透析患者の増加により、透析シャントのトラブルに遭遇することは多く、このアクセストラブルは、透析効率の低下から生命予後に影響を与える重要な合併症です。できるだけ現存のブラッドアクセスを温存し、透析効率を維持することが透析患者の長期予後とって必要です。ブラッドアクセスの修復法としてのブラッドアクセス・インターベンション治療(「BAIVT<無理に日本語に直すとブラッドアクセス介在治療>」)は、アクセストラブルへの対処方法としての新しい選択肢であり、外科的再建術に比して低侵襲で、多くの透析患者からも歓迎されている治療法です。種々あるこの治療法の中で、最も基本的な手技であり・最も頻度の多い抹消血管に対するバルーンカテーテルによる「経皮的血管形成術」が、ご質問の「PTA(正確にはバルーンPTA)」ではないかと思います。外科的な修復が主として障害脈管を避けてその中枢側にシャント血流を確保する方式であるのに対して、「PTA」をはじめとする「BAIVT」は障害脈管を修復して血流の再開を目論むものです。脈管の温存性からは、当然「BAIVT」に軍配が上がります。
「PTA」は、血栓性閉塞や深部静脈穿通枝の狭窄等一部を除いて狭窄・非血栓性閉塞(狭窄が高じて閉塞に陥った状態)等広く適応となります。「PTA」の初期成功率は97〜80%とされ、その後の開存率は一次開存は、6ヶ月時61〜44%、12ヶ月時45〜23%と報告されています。一般に透析シャントの「PTA」は初期成功率は高いが、短期間での再狭窄が多く、「PTA」を繰り返すことで高い二次開存を保っています。今後は、「PTA」の手技・器具の改良により、一次開存期間をさらに延ばすことができれば透析患者の苦痛を軽減することができます。
 しかし、ブラッドアクセスに対する「PTA」は、医療保険の扱いが不明瞭で、外科的再建術とのバランスが適切でない印象があります。治療を反復してアクセス血管・グラフトの延命をはかることは透析患者にとっても大きなメリットですが、頻回の手技の障害になっているのは医療経済的側面です。この問題を克服(保険診療上適正な点数が付けられるべき、3カ月に1回の保険診療の見直し等)し、「BAIVT」がアクセスの長期温存の手段としてさらに普及することが望まれていろところです。「BAIVT」とは、「シャントPTA」と「経皮的血栓除去療法」、即ち血管内治療のことを指します。


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