Q74.「CT検査」と「MRI検査」の違いは何ですか。

2005/09/29 (Thu)
A.一言で言えば、「CT検査」は腫瘍の大きさや周囲臓器の関係をみるとき、「MRI検査」はその腫瘍がどんな成分でできているのかをみるときに有用です。この際、それぞれ簡単に解説しておきます。
 【1】「CT検査」について
X線写真では、X線の透過性の違いにより、骨等の通りにくい組織は白く、通りやすい組織は黒く写ります。「CT」では、放射線をかけてその透過性をもとにコンピューターで画像処理をして人体の断面像を造り出します。超音波検査・「MRI検査」と並び非侵襲的な画像診断法の中心です。「CT検査」は、
@体腔内のさまざまな病変を5〜10mmの精度で描出することができます。
A検査は仰臥位で行われ、吸気時に息を止めることが必要です。
B造影剤を使用すると血管性病変や病変の質的診断ができます。
造影剤を使用しない単純CTは結石、嚢胞、出血の診断に有用です。造影剤を使用すると血液の流れの情報も組み込まれます。特に透析患者の場合、透析腎癌、CAPDに伴う被嚢性腹膜硬化症、急性腹症、動脈硬化に伴う動脈石灰化等の評価のことが多いです。
C造影剤アレルギーが可能性の高い人はできるだけ造影剤は避けます。造影剤が長時間高濃度で体内にあることを避けるため、投与後、緊急透析を行っている施設が多いです。(低浸透圧造影剤100mlであれば、直後の血液透析は必要ないという報告もあります。)
 【2】「MRI検査」について
「MRI検査(磁気共鳴画像化装置)」は、原理が少し難しいので、細かいことは省略しますが、要は「磁石(磁場)」にさらされた物質原子がみずから電波を発する現象を利用して画像を造るものです。換言すれば、磁石を当てると水や筋肉や脂肪等でそれぞれ(原子レベル)反応が違うことを利用して画像を造るということです。つまり、放射線と異なり被爆はしません。そして、その画像は環状断、矢状断、軸状断という断面像や造影剤を用いると血管造影のような像も造れますし、尿路形態画像もきれいに造り出すことができます。「MRI検査」時は、「CT検査」と同様にドーム状の機械の中に入りますが、通常は「CT」よりはるかに狭いトンネル状のものです。閉所恐怖症のある患者では検査に堪えられないような検査中のトントン、ダンダンとうるさい音を伴うのが特徴です。「MRI検査」は、時間も「CT検査」よりかかり、通常30分前後はかかってしまいます。また、検査に適さない条件(閉所恐怖症、ペースメーカー、入れ墨、動脈クリップ等、妊娠初期、造影剤は喘息の場合は禁忌)や検査のときに身につけてはいけないものが多い(貴金属、磁気カード)こと、検査の部位(胆嚢や肝臓)や造影剤の使用によっては食事をとらずに受けることなどの注意が必要です。 尚、最近癌の検査に使われ始められているのが、「拡散強調画像法」と言われているもので、これは検査装置は通常の「MRI」ですが、撮った画像の分析法を工夫して、癌の発見に役立てようとするものです。従来は撮影する部分の周辺に空気があると、磁力線がゆがんで良い画像が撮れなかった(胸や腹の撮影では呼吸で画像がぶれた)ので、診断対象は空気の入らない脳等に限られ、主に脳梗塞の診断に使われてきました。しかし最近、画像処理技術が進み、癌の検査に使われ始めたということです。
最後にマトメとして、
@「CT検査」は、空間分解能(大きさや輪郭の正確さ、周囲臓器との位置関係等をみる)に優れ、
A「MRI検査」は、濃度分解能(見たいものの成分や構成物質を判別する=質的診断)に優れています。
【追記】
@「エレクトロンビームCT(EBCT)」:心筋梗塞の危険の高い患者を無侵襲で無症状の時から検査できる方法(冠動脈の石灰化と冠動脈の狭窄)
A「マルチスライスCT(MSCT)」:「エレクトロンビームCT(EBCT)」よりさらに進化した検査方法


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