Q69.骨ごと食べる小魚はリン摂取を本当に増やしますか。

2005/06/16 (Thu)
A.Ca含有リン吸着剤や非Ca含有の新しいタイプのリン吸着剤の塩酸セベラマーや炭酸ランタン等(これら非Ca含有リン吸着剤の詳細は本HP左メニューの「その他インフォメーションの【5】と【29】参照)を服用していてもそれぞれの欠点等(この「Q&A」のQ39のA参照)から、やはり食事からのリン摂取制限を怠ってはならないことは言うまでもありません。血清リンを上昇させる食事中のリンの多くは蛋白質に由来することもこれまた言うまでもなく、蛋白質摂取量と血清リン濃度には正の相関関係がみられます。(リンのコントロールについては、この「Q&A」のQ47のA参照)
また、最近の加工食品中には食品添加物として各種のポリリン酸が多用されていることも忘れてはなりません。
 さて、Ca補給の意味もあって、小魚を丸ごと食べることは一般には健康に良いと言われていますが、私達のような腎不全患者の場合にはどうでしょうか。単純にCaが多い小魚はリンも多いので腎不全患者には好ましくないと教科書には載っていますが、本当にそうなんでしょうか。
 海水中に棲む軟骨魚類(サメ等)、硬骨魚類(多くの魚類)、円口類(メクラウナギ等)の骨の成分は炭酸カルシウムであり、淡水中に棲む脊椎動物(ヤツメウナギ)や硬骨魚類(マス等)も同様です。しかし、両生類(カエル)、鳥類(ハト)になるとその骨はリン酸Caとなり、さらに進化した我々ヒトを含めてイヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、サル等の脊椎動物の骨もリン酸Caです。従って、私達が日常の食用とする硬骨魚類の骨は意外にも炭酸Caからできているんです。
 以上のことからすれば、小魚に限らず魚の骨を食べてもリン摂取の意味はないと言えましょう。だからと言って、魚の身(筋肉)は蛋白質であるため、この部分からのリン摂取は当然ありますから、小魚を丸ごと食べれば蛋白質相当部分からのリン摂取は当然にあることを認識しておく必要はあるし、加工食品であれば、ポリリン酸が添加物として含まれる可能性もあります。
 従って、小魚だからといって、摂り過ぎは問題だけれども必要以上に敬遠したり、神経質になることはないかなとは思いますが、今度一度小魚を意識的に多く摂取して、血清リン数値がどうなるか私自身の身体・血液検査をもって試してみたいと考えています。
(以上は「RODうんちく話<鈴木正司著・日本メディカルセンター発行>」
 より抜粋、ROD=腎性骨異栄養症)


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