Q6.うちのおばあちゃんは人工透析を受けていますが、お年寄りのご多分に漏れず、「日本茶」「梅干」「おしんこ(漬もの)」「味噌汁」「豆腐」「納豆」「干物」「ひじき(海草)」「切干だいこん」等が大好きです。いわゆる健康に良いと思われるこれらの食品は透析患者にとってどうなんでしょうか。

2004/05/10 (Mon)
A.確かにこれらの食品は一般の健康な人にとっては一部塩分含有量を除きほとんど健康食品と言えますが、果たして透析患者にとってはどうなんでしょうか。どうも透析患者にとっては、透析患者の敵であるカリウム・塩分等の含有量からして、手放しでお勧めできる食品とはいかないようです。
 この点、具体的に一つ一つみていきましょう。
・「日本茶」は、湯飲み茶碗1杯(200ml)の浸出液に含まれるカリウムが、「せん茶」「番茶」「ほうじ茶」それぞれ54mg、64mg、48mgと比較的多くあります。「玉露」の湯飲み茶碗1杯(200ml)の浸出液にいたっては、何と680mgものカリウムを含みます。「日本茶」の中では、「玄米茶」が一番カリウム含有量が少ないようです。(湯飲み茶碗1杯<200ml>の浸出液でカリウム14mg)尚、「麦茶」は「玄米茶」よりもわずかに少ないです。
 因みに、「コーヒー」のコーヒーカップ1杯(200ml)の浸出液に含まれるカリウムは130mgと日本茶の2倍以上含まれています。「紅茶」の場合は、同じ分量でカリウムは16mgとぐっと低くなります。
・「梅干」は、1個(10g)でナトリウム870mg、カリウム44mg、塩分(食塩相当量)2.2gあります。
・「きゅうり、ナス、白菜、だいこん」等のおしんこは、糠漬けにしても塩漬けにしても、それぞれ50gでナトリウム210〜750mg、カリウム10(はくさい塩漬け)〜305mg、塩分(食塩相当量)1.2〜2.7gあります。
・「味噌汁」は、お椀1杯(200ml)に塩分(食塩相当量)が1.6〜1.8g含まれます。
・「豆腐」は、一丁(300g・木綿)に含むカリウムは420mg、リンは330mgといずれもとても多く、さらに一丁(300g・絹ごし)のうち約270gが水分ですので、水を食べているような典型的な食品です。
・「納豆」は、1パック(50g)にカリウム330mg、リン95mgを含みます。
・「干物」は、その種類を問わずとにかく塩分(食塩相当量)が多いです。
・「ひじき」は、「ほしひじき」わずか10gで440mgとカリウムをとっても多く含みます。尚、「乾燥わかめ」もわずか10gで520mgとカリウムを「ひじき」以上に多く含みます。
・「切干だいこん」も、わずか10gで320mgとカリウムをとっても多く含みます。
 以上のようにこれらの食品は、ナトリウム、カリウム、塩分(食塩相当量)含有量のいずれか、あるいは2つ、あるいは3つすべてが高いなどのものばかりですので、絶対に摂ってはいけないというものではもちろんありませんが、1日1回しかもそれぞれ少量にする・「ほしひじき」「乾燥わかめ」等は長時間よく水にさらすなどの注意・工夫が必要です。
 私も、これらの食品は大好きなのですが、あまり飲んだり・食べたりしないようにしています。その分のカリウム・塩分(食塩相当量)等許容栄養素を野菜・芋類・きのこ類を含め他の食品に置き換えるようにしています。(さらにその上で食品によってはカリウムを減らす算段をします。)
 とは言うものの、たまには「おしんこ」だけはどうしても食べたくなりますので、その場合は、「人工透析と食事」コーナーで紹介した在宅通信販売会社「(株)ヘルシーネットワーク」から、低塩漬物(「だいこん漬」「きゅうり漬」)を取り寄せて、1日1回50gを限度に食べるときもあります。
 因みに、この2つの低塩漬物の平均栄養成分(50g)は、エネルギー25kcal、たんぱく質1.6g、カリウム24mg、リン15mg、塩分(食塩相当量)1.6gですので、たまにはいいかなと思っています。
 尚、カリウムを多く含む食品のうち、1年中安くて食べやすい果物の「バナナ」には、1本(120g・果皮含む)で432mgものカリウムを含み、バナナ1本だけで1日のカリウム許容量の1/4位摂ってしまうことになりますので、要注意、食べない方が無難です。その他、「アボガド」「メロン」もとってもカリウムが高いので、避けるべきでしょう。


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