Q56.「HDF」の特徴とその適応病態を教えて下さい。

2004/11/13 (Sat)
A.簡単に言いますと、「血液透析(HD)」の小分子量物質除去能と「血液濾過(HF)」の中〜高分子量物質の優れた除去能とを兼ね備えた血液浄化法が「血液透析濾過法(HDF)」です。即ち、「HDF」は、小分子、中分子、低分子量タンパクまで、バランスよく、特に中分子から低分子量タンパクといった分子量が比較的大きな物質の除去能に優れるといった特徴があります。つまり、より人間の腎糸球体機能に近い治療モードと言えます。具体的には、「HDF」は点滴で大量に水分を補いながら、大量に除水をする「大量補液(置換液)・大量除水」の血液浄化法です。
 「HDF」は、現状では大きく分けて、一般に1回に10〜12Lの市販の専用補充液を置換液として使用する「オフラインHDF(単に「HDF」とも呼ばれるものがこれにあたります。)」と1回に数十Lの透析液自体を置換液として使用する「オンラインHDF」に分けられます。「オンラインHDF」は、最近施行する透析施設も増えてきましたが、透析液が患者の血液の中に直接流れ込んできますので、透析液を限りなくクリーンにする必要があります。
(エンドトキシン濃度⇒エンドトキシンフリー<検出感度以下>)
 尚、「HDF」には、他に「プッシュ&プルHDF(置換液は透析液)」という方法もありますが、話がややこしくなりますので、ここでは説明省略します。(その原理等詳細は本HP「その他インフォメーション」コーナー【9】参照)
 さて、「HDF」は、上記のように中分子から低分子量タンパク領域に存在する広義の尿毒症物質の除去と関連して、様々な臨床症状の改善が期待されます。私も、現在「オンラインHDF」を施行中ですが、詳細については本HP左メニュー「私の人工透析環境」をご覧ください。                   
 次に、ご質問の「HDF」と関連した臨床効果を基盤とした適応病態について、比較的短期の観察(報告)による臨床効果とまだまだ検討課題となっている期待される長期的臨床効果に分けて、次に整理して載せておきます。
《臨床報告からの短期的臨床効果》
  @透析アミロイドーシス関連の骨・関節症状
  A皮膚掻痒症
  B皮膚乾燥症
  Cいらいら感
  D不眠
  E食欲不振
  FRestless legs 症候群
  G抹消神経障害
  Hエリスロポエチン不適応貧血
  I透析時血圧低下
  J尿毒症性心膜炎
  K多臓器不全
《期待される長期的臨床効果》
@手根管症候群等の透析アミロイドーシスの進行の抑制、 発
症の遅延(β2―MG除去率改善等により)
A栄養指標の改善
B免疫能の改善に伴う感染症の罹患率の低下
C動脈硬化の進行の抑制
D尿毒症性心筋症の抑制
 尚、上記の臨床効果は、特に「オンラインHDF」等の大量液置
換の「HDF」の方がより顕著であると言われています。
 <参考>HDFの目標値
  @β2-MG除去率>80%
  Aα1-MG除去率>30%
  Bアルブミン損失量<4g  


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