Q40.最近血圧が上がってきた透析患者です。どうしたことでしょうか。

2004/06/05 (Sat)
A.食事中の食塩(NaCl)あるいはナトリウム(Na)量が多くなっていませんか。
 Na摂取量が多くなると、血漿中のNa濃度が高くなり、のどが渇きます。(のどの渇きは血漿浸透圧の上昇により生じます。血漿浸透圧は血漿中のNa、カリウム<K>、ブドウ糖、尿素の濃度と深く関わっていますが、特に血漿中のNa値の上昇は口渇感を強くもたらします。)その結果、必然的に水分摂取量が多くなり、身体に水が貯留して体重の増加をきたし、こうして身体に水分が溜まると血圧の上昇をもたらします。大部分の高血圧はこのようなNa・水依存型の高血圧です。
 また、水分が溜まるのは、必ずしも口から入る水分量が多いためだけではありません。注意しなければならないのは、エネルギー摂取不足時です。摂取エネルギーが不足している場合、体内の貯蔵エネルギーを消費して生命活動に必要なエネルギーを産生しますが、このとき同時に水分も産生されます。即ち、エネルギー不足時には体組織が消費されて水分に置き換わります。エネルギー不足にならないこともまた大変大切なことになります。
 血圧が高くなってきたら、まずNa制限(1日あたり、出来れば食塩で5g以下)とともに適正体重(DW)の確認をします。その上で、Na・水以外の要因を調べます。
 身体に水分が溜まっていないのに血圧が上昇してきている場合には、高脂血症(高コレステロール血症<220mg/dl以上>・高LDLコレステロール血症<140mg/dl以上>・高中性脂肪血症<空腹時150mg/dl以上>)等の合併がないのか確認し、こうした合併症があれば、食事指導含めた治療が必要になります。また、ストレスや運動不足等も高血圧の原因になりますので、日頃からストレス解消や適度な運動を心掛けましょう。

尚、食品中に含まれる塩分の表記を巡り、厚生労働省と学会等で見解が分かれています。ナトリウム量での表記を求めている厚労省に対し、日本高血圧学会(藤田敏郎理事長)は「分かりにくい」として、食塩に換算(ナトリウムの2.54倍)した量での表記を、平成17年10月のはじめに申し入れました。食塩量で示すファミリーレストランも出始め、今後、議論を呼びそうです。


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