Q28.副甲状腺摘出手術(PTX)後に副甲状腺ホルモン(PTH)・リン・カルシウムが上がってくることがありますか、その場合の対策を教えて下さい。

2004/05/10 (Mon)
A.PTXを受けた後は、普通PTHの分泌量は極端に低下し、リンとカルシウムの管理ができやすくなることは確かです。しかしながら、PTX後にリン・カルシウム・PTHが再び上昇してくることは充分考えられることです。
まず、PTXが成功したとしても、リンとカルシウムの数値は、それ以外の因子(主として食事と骨の状態)によって変動します。PTX直後は、リン・カルシウムともに低下しますが、その後特にリンが上昇することはしばしば経験します。リンが上昇した場合には、PTX前とあるいは二次性副甲状腺機能亢進症を合併していない透析患者と同じように、リン吸着剤・ビタミンD製剤の投与量を調節します。PTX後で副甲状腺機能低下の状態になっているときには、ビタミンD製剤はあまり大量には用いません。PTHの下がりすぎを招いてしまう可能性があるからです。食事管理も同様で、リンが多く含まれている加工食品や魚貝類等は食べ過ぎない注意が必要です。
従って、PTX後にリン・カルシウムが上昇したからといって、必ずしも副甲状腺がPTXで取りきれなかったということにはなりません。
 一般的に副甲状腺は首のところに4つあります。PTXでは、首のところを切って、この4つの副甲状腺を摘出します。次に、取った副甲状腺の一部を首や腕の筋肉の中に自家移植します。ここから少量のPTHが分泌されて、副甲状腺機能低下の状態を防ぐためです。そして、PTX後にこの副甲状腺がきちんと適正に働いてくれれば、二次性副甲状腺機能亢進症を合併していない透析患者と同じくらいのPTH濃度になるわけです。だとすると、リンが上昇したり、カルシウムが上昇したりすることがありうるわけです。
もちろん、再びPTHが上昇してしまうこともあります。この場合は二つのケースが考えられます。
 ・一つ目は、筋肉内に埋め込んだ副甲状腺が機能亢進症を起こす場合と
 ・二つ目は、副甲状腺が4つではまなく、5つ以上あって取り残
  した副甲状腺が機能亢進症を起こす場合です。
以上どちらの場合も、ビタミンDパルス療法等の内科的な治療を行い、それでもPTHの数値が下がらなければ、再びPTXが必要となることもあります。


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