Q23.血液透析(HD)に比べ、血液透析濾過法(HDF)の方が透析中の血圧低下を防げると聞きますが、真偽の程は如何かなものでしょうか。

2004/05/10 (Mon)
A.なかなか難しい質問で、効果があるという説とそれほどの差はないという説の両方がありますので、はっきり「HDF」の方が透析中の血圧低下に対して効果があるとは言い切れません。
 効果があるという説では、「HDF」の方が治療中(除水中)に血管の外に逃げている(溜まっている)水分が血管の中に戻ってきやすいからだと考えられています。
 ご承知の通り、透析患者は基本的に無尿ですから透析間に増えた水分は、いやおうなしにその一部が血管の中、残りは血管の外に溜まります。
 透析での除水は、血管の中の水分だけを除去するわけですから、一時的に血管の中が脱水になり、血管の外は余分な水分があるという状態になります。そうなってくると、血管の外に逃げていた(溜まっていた)水分が脱水となった血管に戻ってきます。これを、専門用語で「プラズマ・リフィリング」と呼ぶことは、Q4.Aでも記載した通りです。
 除水の進行に伴い、この「プラズマ・リフィリング」が速やかに起こる患者と「プラズマ・リフィリング」に時間のかかる患者います。(私みたいに動脈硬化がある場合など)
「プラズマ・リフィリング」が早い患者は、血圧が下がりにくいのですが、「プラズマ・リフィリング」が遅い患者は、どうしても血管内脱水がなかなか解消されないために血圧が下がってきてしまうのです。
 「HDF」という透析方法は、この「プラズマ・リフィリング」を早くすると言われていますが、異論を唱える説もありますし、臨床的にみても劇的な効果はないようです。
 また、「HDF」は常温の補液を使うので、結果として低温透析となるので、透析中の血圧低下が防げるという説もあります。
 いずれにしても、それ以外にもメリットがあり、デメリットのほとんどない(オンラインの場合透析液の浄化前提)「HDF」は私なんかも今後やってみたいという気持ちは常に持っていました。
 その後、私の希望が叶い、平成16年11月1日より、それまでの「HD」から「オフラインHDF」に切り替わりました。
 その結果、確かに透析中(特に後半)の血圧低下は「HD」の時と比べかなり改善されました。完全に血圧低下から開放されたというわけではありませんが、上が「100mmHg」を切ることはほとんどありませんし、「10%Nacl」もワンショット・持続投入とも全くしなくてよくなりました。(「HD」の時は「10%Nacl」30ml/hを3.5時間持続投入をやっていました。)
 その後、平成25年11月18日より、「オフラインHDF」に比べ、さらに透析効果に優れる「血液透析濾過法(オンラインHDF)」に変更しました。その結果、透析中の血圧低下もさらに少なくなったと実感しております。


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