Q18.透析患者には「アミロイドーシス」という関節の病気が起こりやすいそうですが、詳しく教えて下さい。

2004/05/10 (Mon)
A.長期透析に伴う合併症に一つに「透析アミロイドーシス」があります。一般にアミロイドーシスには様々な原因がありますが、透析患者に起こる場合は腎臓障害のために体内に蓄積するβ2―マイクログロブリン(以下β2―MG)が素(もと)になって作られるアミロイドと呼ばれる物質が原因です。透析患者におこるアミロイド症を「透析アミロイドーシス」とか「透析関連アミロイド症」と呼ばれています。
 体内で作られたアミロイドは、関節周囲・消化管の壁・舌・皮膚等に沈着し、身体にとっては余計な異物となって存在してくるために、これを排除しようとして生体の防御細胞である「マクロファージ」と呼ばれる細胞が集まってきて局所的な炎症(異物とマクロファージの戦場)を起こします。(この炎症は細菌がいるわけではないので抗生物質は効かない)このマクロファージが様々な組織を破壊する「サイトカイン」という物質を周囲に放出するために、ときには痛みが起こります。関節周囲の骨も放出されたサイトカインにより部分的に破壊を受けます。
 この細菌によらない炎症を抑えるためには、副腎皮質ステロイドが有効な場合がありますが、いかんせん副腎皮質ステロイド薬には多くの副作用があり、必ず主治医の先生の指示通りに服用することが肝心です。
 しかしながら、この薬による治療は沈着した物質による炎症を抑えるだけで根本的な治療方法ではありません。
 どのような治療を行なえばこのアミロイドーシスを防ぐことができるのか目下多くの研究者が取り組んでいるところです。現時点では、β2―MGの除去効率の良い透析膜(PS膜等)を使用したり、吸着装置(リクセル)を用いたり、透析方法を「オンラインHDF」に変更したりして、血液中に蓄積したβ2―MGの濃度をある程度まで低下させることは可能となってきましたが、まだまだ健常者のレベルまでは下げることはできていません。
 関節の機能障害や骨折が起きたとき、頚椎が変形してしまったために脊髄の圧迫症状が認められるとき(「脊柱管狭窄」)には手術をしなければならない場合もあります。


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