Q17.身体が痒くて困っています。原因と対策を教えて下さい。

2004/05/10 (Mon)
A.この痒みの問題は、現在も十分に解決されていない腎不全の合併症の一つです。つまり、痒みの原因が未だに特定されていないのです。
 現在考えられている痒みの原因と対策は次の通りです。
@ 副甲状腺機能亢進症と痒み
副甲状腺機能亢進症が増悪している状態では、しばしば強い痒みを伴います。この場合には、皮膚のカルシウムやリンの濃度が増えているとの報告もあります。事実、活性型ビタミンDパルス療法を行なうと、強い痒みを訴えて治療が続行できなくなる場合があります。このようなときには、血清カルシウムも無機リン(P)もコントロールが悪くなっていて、高カルシウム血症・高リン血症を呈していることが多いものです。副甲状腺摘出手術を行なうと、痒みも軽減します。
A ヒスタミンが関与する痒み
痒みの原因の一部には、ヒスタミン(アレルギーのとき体内のリンパ球から分泌される物質)が関与しており、これに対しては抗ヒスタミン剤の軟膏やクロタミトン含有軟膏等がよく使用され、内服薬でも抗ヒスタミン薬が使われます。また、逆に痒みは薬剤による中毒疹からくる場合もありますので、一度は使用中の薬すべてについて確認する必要があります。
B 乾皮症の痒み
透析患者が痒みで皮膚科の診察を受けると、決まって「乾皮症」の診断が下されます。即ち、透析患者の場合は汗と脂の分泌が低下しており、常に皮膚がカサカサに乾燥していることを指摘されるというわけです。このような状態では、石鹸を使ってゴシゴシ洗うのは逆効果であり、乾皮症には皮膚の乾燥を抑える油性の軟膏や保湿性の尿素軟膏がよく使用されます。
C新しい痒み対策
痒みの受容体と痛みの受容体はよく似ています。痛みを抑えるオピオイド(麻薬のことを言います。)の受容体にはいくつかのサブタイプが知られており、そのうちの一つは痒みに関係しているようです。そこで、この受容体を抑えるオピオイド誘導体の痒みを鎮める効果が期待されています。

 尚、中枢(脳)のかゆみを感じる部位に働いてかゆみを抑える働きがあるとされている血液透析患者のそう痒症(かゆみ)治療に大きな貢献が期待できる新薬剤が平成21年3月24日に発売されましたので、次の通り概略を紹介しておきます。
@商品名:レミッチカプセル2.5μg
A一般名:ナルフラフィン塩酸塩
B効能又は効果:血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)
C用法及び用量:通常、成人には、ナルフラフィン塩酸塩として1日1回2.5μgを夕食後又は就寝前に経口投与する。尚、症状に応じて増量することができるが、1日1回5μgを限度とする。
D発売日:平成21年3月24日
E製造販売元:東レ株式会社
F販売元:鳥居薬品株式会社
本薬剤の詳細は「おくすり110番」の次のページのURLをクリックしてご覧下さい。
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1190015.html


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