Q16.「活性型ビタミンDパルス療法」って何ですか。

2004/05/10 (Mon)
A.人工透析の合併症である「二次性副甲状腺機能亢進症」に対する治療方法の一つです。副甲状腺ホルモン(PTH)は、血清カルシウムの低下、無機リン(P)の上昇、血中活性型ビタミンD濃度の低下を反映して分泌されます。「二次性副甲状腺機能亢進症」とは、このホルモンが異常に分泌される状態を言います。しかし、最近の研究では、例え血清カルシウム濃度と活性型ビタミンD濃度を正常に維持してもPTHの分泌は止まらないことがわかっています。これは、副甲状腺自体でカルシウム感受性受容体(PTHの分泌調節に必要なもの)、ビタミンD受容体(ビタミンDを細胞が認識する装置)ともに数が減少しているためです。そこで、減少しているビタミンD受容体に効率よく一度に強い刺激を与えてPTHの分泌を減少させる方法が「活性型ビタミンDパルス療法」と呼ばれています。これは、毎日服用していたビタミンD製剤を1週間に1回または2回まとめて大量に服用する方法です。(具体的には、「ロカルトロール」を4〜8μg/回、また注射用ビタミンD製剤もあり、今はこれが「活性型ビタミンDパルス療法」の主流になっています。)
 こうして、一時的にビタミンDの血中の濃度を上げると、十分カルシウムが上昇し、身体の方でもビタミンD受容体が増えてPTHの分泌を抑える反応が良くなります。
 しかしながら、この「活性型ビタミンDパルス療法」でも、長期に継続するとどうしても血清カルシウムの上昇が散見されるようになりますので、その場合はビタミンD製剤を減量したり休薬したりします。
 また、高リン血症のままでの「活性型ビタミンDパルス療法」は、異所性石灰化の危険を増加させます。従って、「活性型ビタミンDパルス療法」実施時には高リン血症のコントロールは特に重要で、これが十分でない場合はパルス療法は行なってはならないとされています。
 尚、以上の薬剤治療にも抵抗する骨病変には、副甲状腺そのものを手術で摘出する必要があります。(この手術は「PTX」と呼ばれています。)
 この手術では、副甲状腺全腺(通常4腺)すべてを探し出して摘出します。そして、最もサイズの小さいもの(500mg以下のもの)の一部を50〜100mg見当を細かく裁断して前腕や前胸部の筋肉内等に自家移植します。手術後は多くの場合、血清リンとカルシウムの管理ができやすくなり、痒みも急速に軽減し、しこりのように存在した異所性石灰化等も急速に消失します。

 現在では、「シナカルセト(商品名レグパラ)」がありますので、副甲状腺細胞表面のカルシウム受容体に直接作用することで、血清カルシウム値を上昇させずにPTHの分泌を抑制するとともに、血清リン値をも低下させることができるようになりました。
「シナカルセト(商品名レグパラ)」の詳細は、次のURLをクリックしてご覧下さい。
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se39/se3999023.html


BACK




- Genesis -