Q15.「異所性石灰化症」という言葉をよく聞きますが、具体的に教えて下さい。

2004/05/10 (Mon)
A.「異所性石灰化症」は、「異所性石灰沈着症」とも呼ばれるもので、人工透析の合併症の一つです。四肢のどこにでも発症する可能性があり、一般的には発症状態も急激で、局所が赤く腫れて、熱く、痛みを伴うといった急性炎症反応(急性の細菌感染を伴わない関節炎)のすべてを備えた所見を呈します。レントゲン写真では沈着した異物がはっきりと映りますので、その成分が骨や石灰のようなものであることが予測されます。この石灰の沈着する場所としては、血管壁や関節周囲、その他いろいろありますが、眼球結膜に起きることがあります。これはしばしば出血して眼が赤くなることから、レッドアイ(「red eye;赤い眼)と呼ばれています。これらの沈着成分は、カルシウムとリンの化合物が主体です。
 この「異所性石灰化症」の発症原因と治療・対策については次の通りです。
@「異所性石灰化症」の発症原因
このような異常所見がみられた場合には、血液中のカルシウムや無機リン(P)の濃度が両方あるいはどちらかが異常に高くなっていることがその原因です。
A「異所性石灰化症」の治療・対策
まず、疼痛対策ですが、急性炎症ですから患部を冷やし熱を除きます。消炎鎮痛薬の内服と外用も有効です。その上で、沈着したカルシウムやリンをできるだけ速やかに吸収させることが重要です。そのためには、血液中のカルシウムも無機リン(P)も低下させなければなりません。カルシウムの吸収を促進するビタミンD製剤(Pも吸収してしまう)を使用中であれば休薬し、カルシウム値が正常を少しでも超えていたらカルシウム剤も休薬します。そして、経口的にはリンを多く含む食品を極力減らし、カルシウムを含まないリン吸着剤に切り替えることも必要になってきます。それから、しっかり透析を行なうことも必要であり、「カルシトニン」や「ビスフォスフォネート製剤」も治療に使われ効果が期待されます。
 この「異所性石灰化症」が長期化すると、疼痛も次第に消失し、局所が盛り上がって腫瘤状になる場合がありますが、そうなった場合は、基本的には外科的に切除する方法しかありません。


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