Q14.透析を開始して最初はお小水がかなり出ていたのですが、だんだん少なくなり今現在はほとんど無尿です。これは一般的な傾向ですか。

2004/05/10 (Mon)
A.たいていの透析患者は、透析導入後の1〜2ヶ月以内で、ほとんど無尿(医学的には1日100ml以下は無尿と言います。)に近い状態になるものです。しかし、尿が例えば1日600mlとか出ている人もいますので、この尿量を少しでも長く維持できれば、その分だけ体重増加が少なく治療は楽になります。従ってこの場合、保存期から服用していた利尿薬の内服を止めずに継続します。具体的には、ループ利尿薬と呼ばれるグループの薬が適当で、通常よりやや多めの量を使用します。(カリウムを上昇させないラシックス錠80〜100mg)
 上記の透析患者と尿量の問題について、もう少し詳しく説明しておきましょう。
 原疾患等により、無尿となるまでの期間に個人差があるかと思いますが、透析に入ると、時間とともに尿量が減ってきて、やがて無尿になりますので、尿量が減ってきたことに対する心配は、透析患者である以上基本的には全くいらないと思います。
 ただ、透析になっても、わずかでも残された腎臓の働きにより、尿量が少しでもあれば、水分や塩分、カリウム、リン等の管理が無尿になってからよりはしやすいと思います。例えば、上記の利尿剤を服用し、1日500mlの尿量が確保できた場合、透析間の2日で1.000mlの水分排泄ができ、体重増加が1.0Kg少なくて済み透析時の除水に伴う負担が軽減できます。また、塩分として考えた場合、大まかに尿100ml当たり0.5g排泄できることから約5gの塩分排泄が期待できます。
 しかしながら、1日の尿量が200〜300ml以下になってくると、利尿剤の効果は少なく、利尿剤による尿量アップは無駄な抵抗となってきます。むしろ、聴力低下や尿酸値の上昇等の副作用が心配になってきますので、ふつう利尿剤の使用は中止するものと私は理解しています。それから、一定の尿量が確保されている場合、尿量をできるだけ長い期間維持即ち残腎機能を維持していくためにも、「しっかり透析してもらう・DWをやや緩めにして水をひきすぎない」ということも大事ではないかと思います。この辺は、利尿剤使用の問題も含め、改めて皆さんの主治医の先生に確認されて下さい。
 因みに、私の場合ですが、現在は一滴も出ない無尿です。透析導入後1年位は、私も「ラシックス」を服用(保存期から)していましたが、効き目が全くなくなり、最後はやはり無駄な抵抗でした。
 私達透析患者は透析をやっているわけですから、無尿になっても心配はいりませんが、尿量があったときより、水分管理・DW管理等をしっかり頭の中に入れておく必要があることは言うまでもありません。
 最後についでに、腎臓の体液の恒常性維持機能について言及しておきましょう。
 私達が生命を維持し健康に生活するためには、血液や細胞の内・外の液体の量や成分が、常に適切に調整されていなければなりません。このような状態を「体液の恒常性が維持されている」と言います。腎臓は、この「体液の恒常性=ホメオスタシス」の維持にとって、最も重要な役割を果たしている臓器です。腎臓の働きが失われるということは、「体液の恒常性=ホメオスタシス」が失われることです。「体液の恒常性=ホメオスタシス」の維持ができないことは「生命が維持できない」ことを意味します。


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