Q1.人工透析患者は飲酒しても大丈夫ですか。大丈夫とすれば、種類は何が一番良いですか。

2004/05/06 (Thu)
A.どの文献を見ても、またどの先生・栄養士さんに聴いても、人工透析になったからといって、全面的にアルコール類が禁止となるわけではありません。適量のアルコールは問題ないと考えて良いと思います。ただ、誰でもというわけにはいきません。毎月検査する肝機能検査等に注意し、念のため主治医の先生にも確認をとる必要があります。
 もちろん飲酒するあたっては、1日の飲水制限の中でですから、残念ながらそんなにたくさん飲めるわけではありません。具体的には、ビールのような水分の多いものや塩辛いつまみ類は体重が増えますので、基本的によくありません。
 では、透析患者にとって、どのアルコール類が身体にやさしいのでしょうか。そこで、代表的な各種アルコール類について、透析患者にとって重要な栄養成分をみてみますと次の通りです。

100ml   エネルギー  水 分  たんぱく質  カリウム  リ ン
       (kcal)  (g)   (g)  (mg)  (mg)
清酒        109    82.4    0.4     5     7
ビール(淡色)   40    92.8    0.3     34    15
発泡酒       45    92     0.1    13     8
第3のビール    40     92     0.1〜0.3   7.8    4.6
ワイン(白)    73    88.6    0.1    60    12
ワイン(赤)    73    88.7    0.2    110    13
しょうちゅう(甲)206    71     0      0     0
しょうちゅう(乙)146    79.5    0      0     0
ウイスキー    237    66.6    0      0     0
<注>
@上記「第3のビール」は「アサヒ新生」の場合。
「第3のビール」とは、原料の工夫で発泡酒より税金を低くした低価格のビール風アルコール飲料。
Aアルコールは、1gあたり7kcalの熱量となります。

 以上でみる限り、水分・カリウム等の含有量から判断して、どうやら醸造酒よりも「しょうちゅう」「ウィスキー」等の蒸留酒を少量という程度が一番いいようです。ただ、これらはアルコール度数が高く、飲み過ぎれば血漿浸透圧が上昇して喉が渇くので、注意が必要です。アルコール摂取量の目安ですが、エタノール換算で1日30ml(酒:1合、ビール:大瓶1本、ウイスキー:シングル2杯、ワイン:240ml)以下にし、週1回以上は休肝日を設けましょう。尚、アルコールは体内では有効に使われず、また蓄えもできないエネルギー源であるため、他の食品の代わりのエネルギー源としては使えません。従って、エネルギー不足をアルコールで補給することはできません。

 尚、酒と言えば「タバコ」ですが、タバコは、やめた方がよいというより、やめるべきです。透析を受けている人は、腎臓病のない人と比べて動脈硬化が進みやすいことがわかっています。その上にタバコを吸えばさらに動脈硬化が進むことになります。原疾患が糖尿病であるならなおさらのこと、絶対禁煙すべきです。

 尚、アルコール類ではありませんが、次の代表的なジュースのカリウム含有量も気になりますので、参考までに列記しておきます。(コップ1杯200mlあたり)
 ・リンゴ濃縮還元ジュース   220mg
 ・オレンジ濃縮還元ジュース  380mg
 ・にんじんジュース      560mg
 ・トマトジュース       520mg 

 最後に、清涼飲料水「ダイエットコーラ」の栄養成分を次に載せておきます。(100mlあたり)
 ・カロリー  微量
 ・蛋白質   0.1g
 ・カリウム  微量
 ・カルシウム 2mg
 ・リン    16mg
 ・ナトリウム 10mg
<Kは問題なく、Pもたくさん飲まなければ問題なさそうです。>


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